あったか連帯ウェブ 日本共産党参議院議員山下よしき
トップページ ご意見・ご要望をお寄せくださいサイト内検索

【議事録】増税分 民自公 公共事業に投入 ---一体特

2012年07月27日

Yahoo!ブックマークに登録

○山下よしき 日本共産党の山下よしきです。
 消費税増税法案が衆議院を通過した直後、政府は凍結されていた整備新幹線の着工にゴーサインを出しました。率直に言って驚きました。これは3兆円も掛かる大事業なんですね。一体どこにそんなお金があるのかと。財政が大変だからと国民に消費税増税をお願いするんじゃなかったのかと。

 実は、衆議院における審議の最終段階で、民主、自民、公明三党によって消費税増税法案が修正をされました。修正で追加された条文を見て、ああ、そういうことかと私は思いました。(右図資料提示)これがその条文ですが、税制の抜本的な改革の実施等により、財政による機動的対応が可能となる中で、成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分すると、こうあります。
 総理、これは消費税増税で入ってくる13兆5千億円を防災に名を借りた公共事業に重点的に配分するという条文ではありませんか。

○野田佳彦内閣総理大臣 まず、整備新幹線の着工の話がございましたけれども、公共事業関係費に過度に依存しないことを前提に、自主財源を活用した上で時間を掛けて整備するものであって、これは財政規律に配慮しながらの対応であります。ちなみに、政権交代以来、公共事業関係費については、一貫して縮減をさせてきているということはよく踏まえて御発言をいただければというふうに思います。
 その上で、今の条文の意味合いでありますけれども、これはもう委員お分かりのとおりであると思いますけれども、今回、国民の皆様に御負担をお願いする消費税は全て全額社会保障財源化し、消費税による税収をばらまきに充てるということは一切ございません。
 一方で、今回御指摘がありました附則18条二項についてでありますが、財政による機動的な対応が可能となる中でとされております。財政規律を堅持しつつ、その中で財政の機動性を可能にする必要があると思います。そのためにも、日本再生戦略を策定をして経済成長を実現をしたり、あるいは、予算全体の重点化、効率化によって真に必要な防災、減災等の政策にプライオリティーを高めていくといった取組が必要でございます。
 なお、条文にも、資金を重点的に配分する、資金というのは、これはいわゆる国の資金だけではなくて民間資金も活用すると、そういう意味合いであるということでございますので、消費税を上げた分をそれをどこか違うところに持っていくということは全く考えておりません。

○山下よしき 自民党の提案者に伺います。
 7月18日、当委員会で自民党の宮沢洋一委員が質問に立たれました。三党協議の当事者のお一人で、この修正で追加された条文を書かれた本人であります。宮沢委員は条文について次のように説明をされました。財政の機動的対応が可能になる中でと書いてあるのは、当然消費税の税収はこれは社会保障四経費に充てられるわけでありますが、一方で、そのほかの経費の部分について言っても、やはり四経費の部分に消費税が充てられるということになるとかなり楽な部分が出てきて、やっと今までできなかった政策が実現できるということであります、これよく分かる説明でありました。
 三党による修正で追加された条文の意味は、こういう説明で間違いありませんね。

○野田毅衆議院議員 基本的には宮沢さんの御説明だと思いますが、もっと思いを込めて言えば、今までは必要であった分野を削ってきたと、だから、本当はもっと投入しておかなきゃいけなかった分野、教育の分野であったり研究開発の分野であったり、言葉を換えて言えば、金の卵を産む鶏までちょっと食っちゃったんじゃないかと。今日はどなたかが、タコ足じゃないけど、足を自分で食っちゃっているという話がどなたかありました。まさにその積み重ね、それだけのことをやってもなお借金がまだ増えていると。今後展望すればもっと増えるんだと。だって、これからあと10年間ぐらいで75歳以上の人口がどれだけ増えて、そして働く世代の人口がどれだけ減っているか。何百万単位じゃないですか。そういったことを頭に置けば、これからどんどんどんどん社会保障のお金が掛かることは目に見えている。今いっとき足す1年2年で若干の凸凹があったとしても、もっと違うじゃないですか。だったら、これからもっと経済の成長をさせて、自然増収、増税じゃなくて、自然増収が出てくるような経済政策をできるような財政運営をすることこそが財政健全化へのもう一つ大きな柱じゃないかということを込めて宮沢さんのお話であると、そういうことです。

○山下よしき ちょっと私、図にしてみました。要するに、消費税増税分はこれは社会保障に充てるということですが、それによってこれまで社会保障に使っていたお金にゆとりが出てくる。宮沢委員の説明では、楽な部分が出てくる、だから公共事業などに重点的に配分しようということであります。これが修正で追加された条文の意味だと。総理、違うんですか、これは。自民党の解釈は間違っている、都合のいい勝手な解釈だと言うんですか。総理、総理お答えください。

○高橋千秋委員長 野田毅君。

○山下よしき いやいや、これ総理に、もう時間がない、総理に、総理に聞いています。

○高橋委員長 野田毅君。簡潔にお願いします。

○野田衆院議員 はい、簡潔に言います。
 その部分を公共事業に回そうと言っていませんよ。あくまでこの部分は別の部分です。以上です。
 消費税の使い道は消費税の使い道です。それははっきりしているわけです。

○安住淳財務大臣 先生、最初の、例えばこの新幹線の話は、昨年の暮れにたしか方向性が決まったので、無理にこの7月の二項とくっつけるのはやっぱりちょっとこれは論理的におかしいんです。公共事業をやるために消費税ということはちょっと乱暴じゃないかなと私思っていました。
 それで、政府としては、私何度もお答えをさせていただいておりますが、消費税収による税収というのはばらまきには一切充てません。同時に、先ほど申し上げているように、社会保障にこのお金が、お預かりしたとしても、まだそれでも全部賄い切れるわけではないわけです。ですから、そういう点では効率化や重点化も図っていかなければなりません。
 ただ、そういうことをやることによって、また成長戦略を取ることによって税収が増えて機動性が出てきますから、そのときには資金というものをいろいろ活用して様々な成長分野に投資をしていきましょうということですから、私は決してそんなに三党と政府の間でも大きな差の開きがあるとは思っておりません。

○山下よしき 私、野田さん、野田毅さんの方に確認したいんですけれども、私は、宮沢委員が言われたことを素直に理解すると、これまで社会保障に充てていた部分に消費税が充てられるんだから、これはゆとりができると、楽になる部分が出ますと。これをいろいろ、野田毅議員がおっしゃっていたように、いろんなところに充てようじゃないかという理解をしたわけですね。直接行くんじゃないですよ、消費税が。直接行くんじゃないですけど、財政全体でいうとゆとりができるからそういうところにも充てようというのが私は自民党の法案提出者の方の理解だと思って、この図が正しいかどうかというのはありますけどね、私はそういう理解しているんですけど、それで違うんですか。

○野田衆院議員 大きな意味ではそういうことです。だからといって、やっぱり公共事業は公共事業の財源、建設国債ということが主になると思います、その点は。そのほか別のいろんな調達の仕方はあると思います。もうこれは先ほど述べたとおりです。

○山下よしき じゃ、次に進みたいと思いますけれども、現に自民党の皆さんは国土強靱化基本法案を出されております。今後10年間で200兆円の投資をすると。それから、公明党も防災・減災ニューディール推進基本法案の骨子を発表されました。こちらは10年で100兆円規模の投資であります。国土強靱化も防災・減災ニューディールも、これ中身を見ると、高速道路、新幹線、港湾などの大型公共事業がずらっと並んでおります。10年で200兆円もの公共事業を進めるための財源は一体どうするのかと。
 自民党の提案者に伺いますけれども、先ほど建設国債というのがありました。同時に、消費税増税によって財政に機動的対応が可能になると、ゆとりができると。このゆとりを10年で200兆円の公共事業にも使う可能性というのはあるんじゃないでしょうか。

○野田衆院議員 少しさっきのどなたかの答弁で申し上げたんですが、10年で200兆、これ、事業費ベースです。GDP統計の中ではっきり出ていますね。これは去年ぐらいは大体20兆ぐらいかと思います。この中には、いわゆる公共事業もあれば、例えば大学の建物の建て替えであったり、みんな入っているんですよ、学校の校舎の建て替えであったり。まあ第三セクターの部分もあります。つまり政府セクター、統計上の政府セクターです。これは、じゃ過去はどうだったかと。村山内閣のときは40兆ぐらいあったわけです。だから、そういったことを考えると、過去10年で大体230兆以上行っていたかと思います。これを今後10年で200兆というのは、決して消費税の引上げがあったから、余裕があったからそっちをうんと増やしてという話じゃないと。
 それから同時に、資金調達の原資からいえば、国費ベースでいうとおおよそ今と同じぐらいしか出てこないんじゃないかと。そんなにここらから思い切って建設国債増やしてぼんぼん行けという話には全くないと。今まで過去10年、230兆ぐらいあったんですよ、実際。それをささやかながら200兆で抑えようというのは大変なことだと思いますよ。
 一方で、この間、10年間でGDPはどれぐらいになるんですかと。5千兆ぐらいになるじゃないですか。医療、介護だけで今年で36兆ですよ、公費だけで。500兆を超えるじゃないですか。そういった大きなGDPの統計上の数字なものですから、余りその部分だけ取って何か公共事業に行くんだぞなんて、ちょっとプロパガンダが過ぎるんじゃないかと私には見えます。

○山下よしき いやいや、プロパガンダじゃないんですよ。さっきは認めたじゃないですか、それ。こういうゆとりができるからいろいろな政策を推進しようじゃないかということをおっしゃったから、私は10年間で200兆円の公共事業の中にもそういうゆとりが使われるんじゃないですかと。これ、一切、じゃ使わないということなのか。私、そうじゃないと思いますよ。
 二階俊博自民党国土強靱化総合調査会長が、ある会合でこう言っておられます。消費税増税法案には我々の国土強靱化の思想がきっちりと入ったと、法案では財源をこれにつぎ込みなさいと言っているんだと、こう言って誇らしげに強調したとありますよ。要するに、消費税増税でゆとりが生まれたら国土強靱化に使う、それがこの法案の思想だ、ここまで言っているじゃないですか。違うんですか。

○野田衆院議員 今申し上げたでしょう。過去10年間、ずっと減らし続けてきたの。だから、逆に言うとですね、せめて今ぐらいのことはこれ以上削らないようにしましょうと、消費税を引上げをすることによって、これから出てくる社会保障へのお金のためにほかのものをみんな犠牲にして持っていくというこの構図を横へ置こうと。だから、今でももう削り過ぎているぐらいだけれど、せめてもう今以上削るようなことはしないようにしましょう、そしてそれは国土強靱化もあるし地方の強靱化もあるし。どこが悪いんですか。

○山下よしき いや、悪くない……

○野田衆院議員 だから、それを……(発言する者あり)いやいや、だから、そうじゃない。つまり、ゆとりという言葉は、削らないで済むゆとりなんです。つまり、これ以上削るのをやめましょうと言っていることですから、増やせという話じゃないんですよ。

○山下よしき よく分からないですね。10年で200兆は増やさないんだと、そんなことないでしょう。
 もう一度総理に聞きます。
 消費税増税は全額社会保障に充てると言うけれども、これは公共事業に使われるということになっているんじゃないかということですが、私、もう既に様々な動きが始まっているということを改めて申し上げたいんですね。
 これ、時事通信の配信記事です。7月5日。自民、業界票奪還に躍起、党本部集会に千人と題した記事ですが、自民党が、次期衆院選に向けて、政権交代後に民主党に奪われた業界団体票を取り戻そうと躍起になっている。5日には、建設業協会など約200団体に呼びかけ、衆院選で看板政策に掲げる国土強靱化をアピールする集会を開催。幹部がそろって出席し、政権奪回に向けた支援を訴えた。谷垣禎一総裁は、集会で強くしなやかな国土をつくっていかなければいけないと述べ、防災目的の公共事業の必要性を強調。衆院選は国土強靱化を公約の一つの柱として戦い抜く、どんと背中を押してほしいと訴えたと、こうあるんですよ。やる気満々なんですね。国土強靱化というのは私は自民党強靱化でもあると、こう思いましたよ。
 それから、増税を当て込んだ公共事業の大盤振る舞いでは民主党も負けていないと、こう思いますよ。コンクリートから人へと言っていたのに、野田内閣になってから、先ほどの、整備新幹線3兆円、東京外環道1兆3千億円、新名神高速道路6800億円、八ツ場ダム4600億円など、これ凍結していた公共事業を相次いで復活させたんですね。コンクリートから人へどころか、これは人から、消費税増税を、負担を押し付けて、人に、コンクリートに回すと、そういうやり方になっていると言わざるを得ません。だから、これまで消費税増税賛成、推進のキャンペーンを張ってきた大手新聞各社も、このままでは公共事業のための増税になりかねないと、こういって批判をしているわけですね。
 総理、消費税増税の目的がこれまでの社会保障、財政再建から公共事業へと変わってきているんじゃないですか。

○野田首相 全く違います。あくまで今回の一体改革の意義は、社会保障の安定化と充実、そのために国民の皆様に御負担をお願いをする、全て全額社会保障に充てる、官の肥大化には使わないというのが、これ大原則であります。それを踏まえて三党で協議をしてまいりました。したがって、あそこに掲げている図は、茶色から緑へ行くというのは、私はあれは非常に違和感があります。そうではありません。
 一方で、18条の附則のところについては、これはやっぱり経済の再生、経済の好転をしなくてはいけない、そのための考え方を網羅しているわけであって、国民の御負担をお願いするときには経済の再生不可欠であります。そのためにみんなで知恵を出し合って出てきたのが附則の話であって、その中の一部分をもって全部消費税がそちらに行くというのは余りにも暴論だと私は思います。今までの議論を聞いていただければよく分かることだと思います。
 したがって、今回、ちょっとやっぱり言葉遣い気を付けなきゃいけないのは、消費税を国民の皆様にお願いをすれば余裕ができるという、余り余裕論を言うべきではなくて、社会保障だけでもやっぱり足りないんです。一方で、経済の再生をしなければいけないし、国民の命を守るためのインフラも必要だという中で、見事な言葉なのは、あそこは資金と書いてあるんですね。予算じゃなくて、資金の重点化と書いてあります。もちろん公的な部分で賄うのもあるかもしれませんけれども、財投資金とか民間資金とか投入しながらそういうものをつくっていこうというのが今回の、私は別にその強靱化論の、何というか、つくった側ではありせんが、そういう趣旨だと思っております。
 ただ、自民党のその動きがどうのというのは、これは私、関知する話ではありませんけれども、そこでお互いの立場がありますけれども、その中でお互い知恵を出し合ってあの18条の附則が出てきていると思っております。

○山下よしき そう言いますけど、このゆとりというのは、野田さんも余裕という言葉を答弁されているんですよ。それで、消費税増税でできたこのゆとりは全部借金を減らすことに充てるんだ、ほかに使わないんだということは法律のどこにも書いていないですよ。逆に、ここにはっきり書いてある、機動的対応が可能となる中で成長戦略や防災及び減災等に重点的に配分すると。これ読んだとおりですよ。これがこの趣旨なんですね。
 そういう点では、私は、今、野田総理、それから野田毅さんおっしゃったとおり、この国土強靱化にもゆとりは使われると先ほど答弁されました。これがこうなって回っていくということを否定はされませんでした。
 私、その道を行っていいのかと、いつか来た道になると。1997年、消費税が3%から5%へ増税された翌年、98年、過去最大の補正予算が組まれるなどで、高速道路、空港、港湾、大型公共事業のばらまきがやられましたね。増税したにもかかわらず、当時の小渕首相は世界一の借金王になったんですよ。消費税増税が決まると気持ちが大きくなって、新たな無駄遣いが増え、借金が増える、これが歴史の教訓なんですね。
 これ、今また同じことの繰り返しが始まろうとしております。この道を進んではならない。私たち日本共産党は、いよいよ道理のなくなった消費税増税に断固反対するとともに、増税するなら応能負担で……

○高橋委員長 おまとめください。

○山下よしき まず富裕層と大企業から、そして国民の所得を増やして経済を立て直す別な道を国民の皆さんと進むということを申し上げて、質問を終わります。



ページ最上部へ   トップページへ    

 ■山下芳生国会事務所  〒100-8962 東京都千代田区永田町2-1-1 参議院議員会館1123号室 TEL:03-6550-1123 FAX:03-6551-1123

 日本共産党国会議員団近畿ブロック事務所〒537-0025 大阪市東成区中道1-10-10ホクシンピース森ノ宮102 TEL:06-6975-9111 FAX:06-6975-9115

本サイトへのリンクや、文書・写真などの複製・転載などにつきましては、事前にご連絡をくださるようお願い致します。
Copyright since 2003, Japanese Communist Party. All right reserved.