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医療費窓口負担軽減迫る--参院予算委集中審議【会議録】

2010年03月18日

2010年3月18日 参院予算委員会
山下よしき 日本共産党の山下芳生です。
 昨年の総選挙後、私は、あちこちで新しい政治に何を期待しますかと聞いて歩きました。1番多かったのが医療費を下げてほしいという声です。日本には公的医療保険制度があります。しかし、保険料を払って保険証を持っていても、病院や診療所に行くと1割とか3割の窓口負担が掛かります。これが重いんですね。その結果、何が起こっているか。(資料提示)

photo 国立社会保障・人口問題研究所の調査によりますと、過去1年間に医療機関に行かなかったという人のうち、健康でなかったが行くことができなかったという方が17.0%。その理由の第1位は、自己負担の割合が高いなど経済的な理由で、これが38.4%に上ります。また、大阪府門真市で国保世帯を中心に行った門真国保実態調査でも、治療や診察が必要だと感じながら、治療費、診察代などお金が掛かるため病院に行くことを先延ばしにしたことがあるという方が16.3%に上っております。
 総理、私は、これらの調査は、明らかに高過ぎる窓口負担の結果、深刻な受診抑制が起こっていることを示していると思いますが、総理、この事実はお認めになりますね。

鳩山由紀夫内閣総理大臣 今この調査結果を伺いました。山下委員のお話のように、窓口負担というものが高いと、結果として、ならば病院に行くのをやめようと受診抑制というものが働くということも私は事実としてあり得ると、そのように考えております。
 ただ、御案内のとおり、医療に関してはその費用が掛かります。それをだれが負担するかと。自己負担と、それから保険か、あるいは税金か、どれかで賄わなければならないと思っておりまして、ある一定の窓口負担というものはこれはやむを得ない措置ではないかと、そのようにも考えております。
 高過ぎるという議論も一方で聞くこともございます。トータルとして医療費全体がどのように負担感があるかという議論の中で結論を見出すべき話ではないかと、そのようにも考えております。

山下よしき 私は、もっと人々の医療と暮らしの実態を直視すべきだと思います。
 門真市国保実態調査では、治療や診察にお金が掛かるために行っている工夫は何ですかという問いに対して、病院に行く回数を減らしているとか、病状の重いときのみ病院に行くようにしているとか、できるだけ病院に行かずに薬局で買う薬で済ませているなどの答えがたくさん返ってきております。

photo そして、このパネルにありますように、収入階層の低いところに受診抑制や受診中断が起こっていることがはっきりと示されております。これ、みんな年収500万円未満のところに集中して受診抑制と受診中断が起こっております。これらは私は命の危険に直結していると思っております。
 全日本民医連が2009年国民健康保険など死亡事例調査報告を3月11日に発表されました。これは新聞でも大きく報道されましたけれども。今回から、正規の保険証を持っているのに受診が遅れ、死亡した事例も調査対象に加えております。その結果、国保7件、健保本人2件、後期高齢者1件が報告を死亡例としてされております。
 具体事例を少し紹介します。
 岐阜、59歳男性、無職、2008年まで土木アルバイトで生計を立てていた方。膵臓がんと診察されながら、経済的困窮のため、抗がん剤投与月3回、1回1万円の治療を中断。強い腹痛にて来院。生活保護申請にこぎ着けるが、2か月弱で死亡された。入院当初から検査を受けられなかったことを悔やんでおられた。
 東京、69歳男性、無職の方。生活保護水準ぎりぎりの生活の中、胃がんの治療を1年間中断された結果、再発。入院後8か月で死亡された。入院時の所持金は4千円だった。
 埼玉、77歳男性の方。2年ほど前より呼吸器科に定期受診されていたが、2009年3月、自営業を廃業後、住宅ローンを抱えながら収入が国民年金のみとなった。2009年5月の受診を最後に中断され、半年後、症状悪化のため入院されるが、1か月ほどで死亡された。
 私が紹介した事例は全部保険証を持っている方々ですよ。保険証あるけれども、治療を受けることができずに亡くなった方ですよ。さぞ無念だったと思います。総理、重い窓口負担が受診抑制、受診中断を招いて死に至る事例が増加しております。私はこれは必要な医療が妨げられているということだと思いますが、総理、御認識どうでしょうか。

鳩山首相 後で長妻大臣から補足をしていただければと思いますが、おっしゃるとおり、お金がないから医療が受けられないというような状況が日本の中に起きているということは大変これは悲惨なことで、そのようなことがないような社会にしていかなければならない、基本的にそのように思います。
 一方で、先ほど申し上げましたように、医療に対して何らかの負担をすべての国民が行わなければならないという中で、私どもとすればそれなりに世界に誇る医療制度というものがまずつくられてきたと、そのようにも考えております。
 したがって、例えば高額の治療が必要なものに対しては高額療養費制度というものがありまして、高額の負担というものから特に低所得者の方々が避けられる仕組みというものもつくられているわけでございます。様々な方法も講じているところでございますが、なお一層努力をすることも求められていると、そのようにも考えております。

山下よしき 国民皆保険制度を維持する、そのために負担はやむを得ないとおっしゃいましたけれども、高過ぎる負担のために保険証を持っているのに必要な医療を受けることができずに死亡する方が今増えているんですね。国民皆保険制度の機能が崩れているんだと思います。
 それから、高額療養費制度のことをおっしゃいました。自己負担限度額が設定されているということですが、では現役世代の1か月の負担限度額は幾らかといいますと、8万百円プラス掛かった医療費の1%なんです。これ1週間も入院すれば食費を含めれば10万円の窓口負担が掛かるということです。基礎年金だけの高齢者の方でも1か月の負担限度額は外来で8千円、入院だと1万5千円なんですね。年金が月3万円台の人が4、5日入院すればその年金の半分、1万5千円が医療費に消えていくということになってしまいます。これでは私は低額所得者の方々の受診抑制は止めることができないと思います。
 そもそも、公的医療保険制度というのは、私はお金のあるなしに関係なくすべての人に必要な医療を保障するための仕組みでなければならないと思います。ところが、重い窓口負担が必要な医療を遮断しております。世界では、公的医療保険制度のある国は、先進国は窓口負担はゼロ、あっても少額の定額制が当たり前なんですね。総理、これは何とかしたい、大変な事態だと、こうおっしゃったんだったら、日本でもせめて高過ぎる窓口負担を軽減することに踏み出すべきだと私は思いますが、いかがでしょうか。総理、総理お願いします。時間ないんですから。

長妻昭厚生労働大臣 この窓口負担、自己負担の問題でございますけれども、確かに日本は高い方でありまして、ただ、ほかの国が全部ないということではありません。日本は総保険医療支出に占める自己負担が15.1%、アメリカ12.2%、イギリス11.4%、フランス6.8%、ドイツ13.1%ということで、確かに高い面はあります。
 そこで、その自己負担のみならず保険料も軽減をしようということで、後期高齢者の皆さんあるいは70から74歳までの皆さんの保険料、そして来月から、失業をされた方については前年の保険料の算定を7割引きにして算定しようと、こういうような措置で全体の負担感を軽減をするということに取り組んでおります。

山下よしき 関係ないことは答えないでいただきたい。
 こういう人が、保険証を持っていても治療を受けられずに亡くなる方が増え続ける。そのまま増え続けていいんですか。窓口負担の軽減、検討もしないんですか、総理。

鳩山首相 先ほども申し上げたとおりでございますが、国民皆保険制度というものも一方で守らなければなりません。その意味で、何らかの窓口の負担というものはお願いをせざるを得ないと思っています。ただ、今、海外を比較して、やはり数割高いという思いもございます。今すぐにということでは必ずしもありませんが、窓口負担が高いゆえに十分な医療が受けられないで亡くなられるということが極力なくなるような社会を目指していくために、私どもとしても新たに検討してまいりたいと存じます。

簗瀬進参院予算委員長 山下君、時間が来ています。

山下よしき だったら、先進国では当たり前の窓口負担ゼロを目指して、私たち日本共産党は、少なくとも高齢者と子供の医療費をゼロにすべきだ、財源は軍事費と大企業優遇税制、これ削れば十分出てくる、3兆円、4兆円出てくる、そのことを申し上げて、質問を終わります。


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