「心地よいハーモニー」 山下よしきの徒然エッセイ 近畿各民報連載
2018年05月18日
なんて心地よい響きでしょうか。尼崎の後援会総会に来てくれた「新婦人めだかコーラス」のみなさんによる合唱です。
ひかえめで、やさしい、女性たちの歌声による童謡のメドレー。目を閉じて聞いていると、国会のなかでたかぶった気持ちがスッとしずまります。
たくさんの人が互いに耳を傾けあいながら紡ぎだすハーモニーに、安心感や心地よさを感じるのは人間の本性なのかも知れません。一強や忖度とは正反対の世界です。
童謡に続いて歌ってくれたのは「ヒロシマの有る国で」。私たちの世代が青年のころ、平和運動にとりくむなかから生まれた曲です(1983年、山本さとし作詞・作曲)。たまに口ずさむことはありますが、本格的な合唱で聴くのはずいぶん久しぶりです。
♪わたしの国とかの国の 人の生命(いのち)は同じ
このあおい大地のうえに同じ生を得たのに♪
コーラスに乗って歌詞の一節一節が胸に迫ってきます。自然と熱いものがこみ上げるのを抑えることができなくなりました。大勢の人々が、うたごえ運動や平和運動を営々と、時を超えて繋いできたことが、被爆者の声、世界の願いと合流し、いま核兵器のない世界、核兵器のない北東アジアへの扉をひらく大きな力となって立ち現れている。そのことに思いが巡りました。
心が洗われ、力を与えられたひと時。めだかコーラスのみなさん、ありがとうございました。