「残業代ゼロ」断念を 3月5日の参院予算委で山下議員が追及
2018年03月06日
「過労死の悲劇を繰り返さないために、しっかりと教訓をくみ取る必要がある」―。山下副委員長は、過労死遺族の訴えを紹介しながら、すでに導入された裁量労働制も安倍政権が新設を狙う「高度プロフェッショナル制度(残業代ゼロ制度)」も、ともに長時間労働・過労死の危険性が高いとして断念するよう求めました。
山下氏は、厚生労働省東京労働局から特別指導を受けた野村不動産を例に、裁量労働制を「隠れみの」にした違法行為が横行していることを指摘。野村不動産では、過労自殺の遺族の労災申請がきっかけとなって指導が入ったと報じられていることを示して「(裁量労働制は)行政への届け出だけで済むので、事前のチェックは難しい。現に、野村不動産では事前チェックできずに過労自殺が起きている」と追及しました。安倍晋三首相は「労働基準監督署が適切な指導を行っていくことが大切」と答えるだけでした。
さらに、山下氏は、記者が過労死したNHKを例に、いくら働こうが、あらかじめ決めた時間しか労働時間と認めない「事業場外みなし労働時間制」の問題点を告発。「『みなし労働時間制』は使用者が労働時間を把握しなくても罰則がない。長時間労働にブレーキがかからない」と強調しました。
安倍首相は、実態を否定できず、「労使双方が話し合って労働時間を定めている」などと弁明。山下氏は、裁量労働制では、労働者に業務量を制限する「裁量」はなく、「みなし労働時間」と実労働時間のかい離が是正されない実態をあげ、「『実態把握』というなら、こういう問題点を把握するべきだ」と強調しました。