国会は派遣切り・非正規切りされた当事者たちの声をきけ!
2010年11月01日
あらためて怒りとファイトが湧いてきました。自由法曹団主催の「早期・徹底審議と派遣法抜本改正を求める院内集会」に参加しての感想です。
なにより、リーマン・ショック後、派遣切り・非正規切りされ、2年経ったいまも裁判でたたかっている当事者のみなさんたちの訴えを直接聞いたことが、体中の血液の流れを熱く速くしてくれました。
日産の事務系派遣で5年8ヶ月働き、派遣切りされた女性Aさんは「専門業務偽装」でした。「事務用機器操作」のはずが「お茶くみ・コピー」がほとんどでした。労働組合に加入し、団体交渉を申し込んでも日産は応じず、裁判でたたかっています。同じ派遣の仲間は「直接雇用」になったものの「2年11カ月」の有期契約。Aさんは「なんて汚いんだろう」と思ったといいます。
資生堂アンフィニの製造現場で10年間働いてきた女性Bさんは、増産を支えてきたのはラインの3分の2を占める派遣労働者たちだったと告発します。それがリーマン・ショック後、減産になったとたんにいらないと切られた悔しさをぶつけます。年間200億円もの配当金を「私達の血と涙でできたものです」と。登録型派遣も製造業派遣も本当に禁止してほしい、それが彼女の願いです。
ホンダで11年間期間工として働いていた男性Cさんは、はじめ3カ月、途中から1カ月の「細切れ契約」の繰り返しだったといいます。08年10月に雇い止めになり、現在地位確認を求めて裁判でたたかっています。会社は「生産計画が短期なので」といっているそうですが説得力はありません。あきらかに都合よく使い捨てるための契約形態です。生活費をつくりながらの裁判闘争の大変さも語ってくれました。
これらはあきらかに同じ人間に対する差別です。「派遣切りの嵐から2年も経っているのに、政府はいったい何をしているんだ」という自由法曹団鷲見幹事長の叫びは、そのまま彼女、彼らの叫びです。
政治の責任はきわめて大きい。いま国会がやるべきは、こうした派遣切り・非正規切りされた当事者の声を直接聞くことです。そして必要な派遣法の改正とは何か、真剣に議論することです。1日も早くそれを実現するために、ギアを入れなおしてがんばりたいと思います。