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【続報】 鳥取市の旧鹿野町、旧国府町で自治の原点を学ぶ

2010年10月02日

 鳥取調査(29日)の続報です。6年前の大合併で鳥取市に吸収された旧鹿野町と旧国府町を訪ねました。

 ★鹿野町は人口3400人ほどの小さな城下町。鹿野城跡公園にはいまも内堀、外堀、石垣が残っています。「京風千本格子」が美しいまちなみは、訪れるものの心をほっとさせてくれます。

 鹿野町では合併前から、町民と行政がいっしょになって町営国民宿舎、温泉館、そば道場、ふるさと農産加工所などの施設をつくり運営してきました。鳥取市と合併する際、町民が1株5万円の出資をして株式会社「ふるさと鹿野」を立ち上げ、現在、指定管理者としてこれらの施設を運営しています。こんなやり方があるんですね。

photo 年に一度の祭りでは、紺屋町、加治町、大工町など町ごとに屋台(だんじりですね)を曳くそうです。「ふるさと鹿野」交流館で祭りのビデオを見せていただきましたが、夜の城下町を提灯をつけた屋台がゆっくりとすすむ風景はとても趣がありました。写真は、「ふるさと鹿野」の長尾裕昭社長(中央)、林宏一常務(右から2人目)、田中文子元町議・市議候補(左端)、かくたに敏男市議(左から2人目)と交流館前で。

 こんなにすばらしい文化、住民自治が息づいている鹿野が、どうして鳥取市との合併を選んだのか、素朴な疑問が浮かびます。

 田中文子元町議によると、「町財政が大変」「合併しなければ数千円の健康診断が1万円に跳ね上がる」などと集落ごと宣伝され、一体感のある町ゆえに不安も一気に広がってしまったとのことでした。うーむ。小泉「三位一体」改革による地方交付税の削減と市町村合併の誘導が、自治のまち鹿野をして鳥取市との合併にすすませたのか…。あらためてその責任を問わねばなりません。

photo 水道料金や子どもの通学バスの自己負担など様々な料金が、旧鳥取市の基準に合わせて引き上げられ、「合併していいことは何もない」との声も出ている鹿野ですが、一方で、「鹿野総合支所(旧役場)の職員は、住民のなかに足を運んでいっしょにまちづくりをしてくれる」との声も多いといいます。町民の要望で、旧町職員だった人の多くが鹿野支所で働いているからです。旧町時代につちかわれた住民と職員との共同が、合併後も受け継がれているというのは注目すべきことでした。(写真:廃校になった小学校の体育館を「鳥の劇場」として劇団に活用してもらっていました)

 ★続いて訪ねた旧国府町は人口8700人ほどの町。西は旧鳥取市、東は兵庫県境の山々と接しています。ここで話を聞かせてもらった金田ひでみ市議候補(男性です)は元国府町の職員です。

photo 金田さんは、鳥取市との合併で役場の雰囲気が大きく変わったといいます。旧役場時代には70人あまりいた職員がいま25人。その半分が「顔を知らない」(国府町が地元でない)人になりました。旧町時代は、夜中でも職員の自宅に頼みごとが舞い込んでくるほど町民と役場が身近な関係にあったそうですが、いまは「頼んでも権限がなく判断が遅い」「それならはじめから本庁へ行く」となり、支所に来る住民が極端に減りました。(写真:中央が金田さん、左は岩永ともゆき党鳥取県委員会書記長)

 金田さんは、合併後2年半、鳥取市職員として市役所で働いたそうですが、そのとき、「職員がまったく住民のところに出ない、苦情処理のときくらいしか出ないことに驚いた」といいます。旧国府町職員時代には、「呼ばれたら出るし、問題が起きそうなところには呼ばれる前に出た」そうです。

 どうしてそうなるか。小さな町では、町の職員も住民です。“サービスの提供者であり、受益者”“地域がよくなり、住民がよくなれば、自分もよくなる”という関係にあるというのです。

 なるほど、これが住民自治の原点、自治体で働く労働者のやりがいの原点かもしれません。やはり自治体の規模は大きすぎてはいけません。

 町職員として農業振興にも長くかかわってきた金田さん。「農業がようなったら山村を救う道も見えてくるが、いまは見えない。農業で食えるようになったら若者も帰ってくるが、コメが暴落しても知らん顔してるような政治が続いたら帰ろうと思っても帰れませんわ」との言葉には重みがありました。

photo ★最後の日程は、わが母校・鳥取大学の訪問。ずいぶん前に学生たちとキャンパス・トークした記憶があるのですが、とにかく久方ぶりです。

photo 地方財政がご専門の藤田安一教授の研究室を訪ね、鳥取市の大合併の背景になにがあるか、道州制と関西広域連合をどうみるか、など調査・研究にもとづく示唆に富んだお話を聞かせていただくことができました。お忙しいなかありがとうございました。



 ★きょう(2日)は、早朝、大阪の自宅を出て、午前中、党本部で会議。尖閣問題などを討議しました。午後、デスクワークして大阪にとんぼ返りでした。

 

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