2010年09月29日
鳥取市で地方行財政の調査をしてきました。市谷知子鳥取県議、かくたに敏男鳥取市議はじめ地元のみなさんのアレンジのおかげで充実した調査ができました。
午前中、鳥取市役所でレクチャー。鳥取市は2004年11月の大合併(周辺8町が市に吸収されました)で人口は15万人から20万人に、面積は3・3倍(765平方キロ)に増えました。地図を見ると、日本海から岡山県境までズドーンと全部鳥取市になっていて驚きました。
そこで何が起こっているか。まず、職員数の削減です。合併時1572人いた職員を10年かけて1258人まで減らす計画が進行中でした。そのもとで、生活保護の相談件数が560件(05年)から1102件(09年)に急増し、ケースワーカー1人あたりの保護世帯数が100人近くにまで増える(国の標準は80人)など、住民生活を支える現場では職員不足が顕著になっていました。
もうひとつは、旧8町の「役場」がそれぞれ「総合支所」に変わったことです。職員数が7割弱に減ったうえに、権限がなくなりました。「昔の役場だったら知った顔ばかりだったのに…」「何でも使える予算をくれ」との声が旧町地域で上がっているとのことでした。
さらに、事務事業の「外部委託」がすすめられ、現在227施設が指定管理者によって管理されています。保育園の民営化、学校給食の外部委託も進行中でした。
正規職員が減少する一方で、臨時・非常勤職員が多いのも特徴です。現在、嘱託職員が750人(公民館、学校主事、図書館司書など)、臨時職員が270人(保育士など)いるそうです。
話を聞いてもメリットがあまり感じられない大合併。なのに、どうしてこの道を選んだのでしょう?
市総務部の方の説明を、私なりに解釈すると、“バブル崩壊後、国が「後年度、交付税で措置する」としてハコモノづくりを推奨しながら、「三位一体改革」で交付税が大きく減らされ、地方は合併を選択せざるをえなくなった”ということでした。
まさに、国の政策によって地方が翻弄されているとの思いを強くしました。
市役所での説明聴取のあと、午後、吸収合併された旧鹿野町、旧国富町をたずねました。両地域で、地方自治とは何か、住民と職員の関係はどうあるべきか、という原点にかかわるすばらしい話を聞くことができましたが、その中味はまた明日。お楽しみに。
★鳥取市で説明をしてくれた課長さんの一人が、私の鳥取大学時代のクラスメイトだったのにはびっくりしました。28年ぶりの再会です。いっしょに鳥取砂丘でソフトボールに興じたことを懐かしく思い出しました。今度は仕事抜きでゆっくり話したいなあ…
★前夜、遅めの夕食は鳥取駅前商店街の海鮮居酒屋で。とれとれのノドクロの塩焼き、自家製の砂丘ラッキョウ漬け、カニ汁は他では味わえない鳥取の味。ご主人に地方から政治への要望もきかせてもらい、おなかもこころも大満足でした。(写真はカニ汁とラッキョウ漬け。ノドクロは撮影前に骨だけになってしまいました。すいません…)