生命・財産を守る気象庁職員 有期労働契約研究会報告書
2010年09月10日
9日、熱海で行われた全気象労働組合の定期中央大会に参加し来賓あいさつ。事前に大会議案書に目を通して感心しました。地球温暖化とともに激しさを増す自然現象から、国民の生命、財産を守るために不可欠な気象事業の最前線で奮闘されている専門家集団だということがよくわかります。
たとえば、今年の5月27日から市町村注意報・警報がはじまりましたが、立ち上げまでの最後の1カ月間は、中央も地方も、現場では不眠不休の日々が続いたそうです。運用開始後すぐ、西日本などで大雨・洪水警報が頻発されるもっとも大変な時期に入りましたが、大きな障害もなく運用されたのは、プログラムの開発、新たな注意報・警報基準の策定、調査・慣熟作業に全精力を傾けてこられた職員のみなさんの努力の賜物です。
さらに、全国4247地点での震度観測点の情報から、数十秒以内に津波警報・注意報発表の決断を下さなければならないとか、航空機が火山灰に遭遇し事故を引き起こすことを未然に防止する航空路火山灰監視センターの業務、集中豪雨をもたらす積乱雲の特徴的な風の立体構造を観測できる気象ドップラーレーダーへの更新などなど、日々技術革新を取り入れながら24時間365日、私たちの安全を守ってくれています。
ところが、こうした重要な業務を担っている気象庁の職員まで、「2014年度までの5年間に10%以上削減」するという新たな定員削減計画(09年7月閣議決定)の対象となり、今年度110人の削減が強行されました。政治もメディアも、「公務員をもっと減らせ」の大合唱ですが、「公務員」一般として論じるのでなく、一人ひとりがどんな業務に携わっているか、具体的に知るべきです。
また、こうした気象庁の業務が、実際に「自然災害の犠牲者ゼロ」に結びついていくためには、地方自治体との連携が決定的に重要です。「地域における消防力が低下している」「市町村合併で管轄区域が広がる一方、国からの交付金が削られ、予算不足から避難勧告をなかなか出せない」などの問題があると指摘されています。
公務公共サービスはどうあるべきか、真に民主的な行政改革はどうあるべきかを考えるうえで、大きなヒントをもらった全気象の大会でした。
★8日は党本部と議員会館でデスクワーク、9日午前は総務省から11年度予算概算要求のレクチャー、10日は厚労省から「有期労働契約研究会報告書」についてのレクチャーなど。
報告書は、「有期労働契約の不合理・不適正な利用を防止するとの視点を持ちつつ、雇用の安定、公正な待遇等を確保するためのルール等について検討すべき」としています。私が調査・質問した長浜キヤノンはじめ製造業大企業では、派遣労働から有期労働に切り替え、「2年11カ月」で雇い止めにする“労働者の使い捨て”がいまだに横行しています。報告書を、現状を変え、人間らしく働くルール(法律)をつくるために生かしたいと思います。