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民主党の「自民党化宣言」! 菅首相所信表明演説を聴いて

2010年06月11日

photo これは民主党の「完全自民党化宣言」やな…。参院本会議場で菅首相の所信表明演説を聴いてそう感じました。

 まず、鳩山前首相が、国民の怒りに包囲されて退陣に追い込まれたことへの反省がありません。

 菅首相は冒頭、「鳩山前首相は、ご自身と民主党の小沢前幹事長に関する『政治とカネ』の問題、そして普天間基地移設問題に対する責任を率直に認め、辞任という形で自らけじめをつけられました」と述べました。「本人が辞めたことでみそぎは済んだ」というのは自民党の常套手段です。

 後期高齢者医療制度の撤廃、労働者派遣法の抜本改正も、民主党の公約だったのに、首相の所信表明演説には一言も出てきませんでした。国民の怒りの広さと深さがわかってないようです。

 一方で、菅首相の演説から見えてきたのは、アメリカと財界に対するいっそうの忠誠です。

 首相は、「強い経済を実現するためには、安定した内需と外需を創造し、富が広く循環する経済構造を築く必要があります」というのですが、なぜ「内需」が「安定」しないのか、どうして「富」が「広く循環」しないのかの分析はありませんでした。

 私たちが、国会論戦や経済懇談会で明らかにしてきたように、この10年間、日本は「成長の止まった国」、「国民が貧しくなった国」という世界でも異常な事態に落ち込んでいます。大企業は巨額の利益をあげたが、それは少しも国民の暮らしにまわらず、過剰な内部留保として蓄積されました。

 そのことに目をつむったまま、いくらあれこれの「成長分野」を並べてみても、「内需の安定」も「富の広い循環」もありえません。国民が貧しくなっている国で、経済が成長するはずがないのです。

 日本共産党は、大企業の過剰な内部留保と利益を、国民生活に還元する、経済システムの転換を主張してきました。いまや、財界系シンクタンクが「過剰な企業貯蓄」の社会的還元を求めるリポートを発表し、全国紙が上場企業の「空前のカネ余り状態」を指摘するなど、経済危機打開を真剣に考えるならば、誰でもその結論に行き着かざるを得ない、最も合理的方策として注目と共鳴がひろがっています。

 国民の立場に立ったホンモノの「成長戦略」を堂々と示しながら、国会論戦や国民との対話に臨みたいと思います。

 また、菅首相は、「強い財政」を実現するとして、「財政健全化の緊要性を認める超党派の議員により、『財政健全化検討会議』を創り、建設的な議論をともに進めよう」と提案しました。自民党も巻き込んで「消費税増税」のレールを敷きたいというねらいが透けて見えます。これは、日本経団連が4月に打ち出した「消費税増税、法人税減税」の方向とも軌を一にするものです。

 さらに、「強い社会保障」というよくわからない言葉を唱えて菅首相が述べたのは、「社会保障には雇用創出を通じて成長をもたらす分野が数多く含まれています」という「経済論議」でした。そこには「すべて国民は、健康で文化的な人間らしい生活をいとなむ権利を有する」という憲法25条の理念はありません。

 「強い経済」「強い財政」「強い社会保障」というが、いったい誰のための「強さ」なのか。財界・大企業がいっそう「強く」なり、庶民は「貧しく」なるものではないのか。国会論戦でうきぼりにするとともに、日本共産党の経済・財政・社会保障政策がもつ明るい展望を熱く語りたい。
 
 最後に、菅首相は、「日米同盟を外交の基軸とする」「日米同盟は、日本の防衛のみならず、アジア・太平洋の安定と繁栄を支える国際的な共有財産」「今後も同盟関係を着実に進化させる」と述べました。これはもう一言一句、自民党政権と同じです。

 世界では、多くの軍事同盟が、解体・機能不全・弱体化に陥り、「20世紀の遺物」となっているというのに、いつまでも他国の軍隊、それも日本の防衛とは無関係の、干渉と介入が専門の「殴りこみ」部隊(海兵遠征軍、空母打撃群など)が大きな顔をして居座っているというのはあまりに異常です。

 首相は、「普天間基地移設問題」(わざと「移設問題」と言っている。「無条件撤去」が言えないからです)について、「先月末の日米合意を踏まえる」と述べ、名護市辺野古に新基地を押し付け、米軍の基地・訓練被害を鹿児島県徳之島や全国の自衛隊基地に拡大することを表明しました。

 そのうえで、23日、沖縄全戦没者追悼式に参加し、「沖縄を襲った悲惨な過去に思いを致すとともに、長年の過重な負担に対する感謝の念を深めることから始めたい」と語りました。私は思わず、「だったら新しい基地を押し付けるのはやめろ!」とヤジを飛ばしてしまいました。

 沖縄県民のたたかいと連帯して、「日米合意の白紙撤回」「普天間基地の無条件撤去」を求めて、奮闘したいと思います。

 以上、少し長くなりましたが、菅首相の所信表明演説のポイントと私の感想です。おそらく菅首相は、鳩山前首相の退陣から、“アメリカと財界に忠実な政治をブレずに行うべし”という教訓を引き出したのでしょう。

 これは、民主党の「完全自民党化宣言」にほかなりません(もともと「2大政党」づくりは、財界が主導した「第2自民党」づくりでしたが)。しかし、すでに自民党政権の行き詰まりによって、この道に未来がないことは明らかです。

 切実な国民要求を実現しようとするなら、アメリカにも財界にも堂々とモノが言える政治でなければなりません。日本共産党が伸びることがその最大の力です。

photo ※写真は、建設労働者の「かあちゃんデモ」。請願書に「お父ちゃんに仕事をください」「ビール1杯の幸せをください」などとかかれた一言が胸に迫ってきました。がんばろう!

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