許さない!泉南アスベスト訴訟で政府が控訴 これも「鳩山下ろし」の一環?
2010年06月01日
許しません!きょう政府は、大阪・泉南アスベスト訴訟で、アスベストの危険性を知りながら必要な対策をとらなかった国の責任を認め、被害者に賠償金の支払いを命じた大阪地裁の判決を不服として控訴しました。被害者と遺族、家族の長年にわたる苦しみ、救済への願いを踏みにじるものです。
画期的な大阪地裁判決(5月19日)のあと、私も市田書記局長、吉井、宮本各衆院議員とともに、小沢環境相、長妻厚労相と面会し控訴しないよう申し入れました。原告団・弁護団は先週から厚生労働省前で座り込みを続けました。
先週末には、小沢、長妻両大臣は控訴を断念する方向で検討していると報じられていました。にもかかわらず急転直下、控訴したのはなぜか。どうして仙谷国家戦略担当相が「調整」役になって抑え込んだのか。いずれにしても、「いのちを守る政治」という鳩山政権の金看板が完全にメッキであったことだけは明らかです。
原告団・弁護団の代表が議員会館の部屋を訪ねてくれました。「悔しいけれど、引き続き勝利するまでたたかいましょう。私も一緒にがんばります。そしてこんな政治を変えましょう」と激励し、あらたな決意を固めあいました。
★国会では「鳩山下ろし」の嵐が吹き荒れました。その関係としか思われない事態が参院総務委員会でも起こりました。きょう予定されていた放送法改定案の質疑が取りやめとなったのです。
事の発端は、朝の理事会で、総務委員長(民主)の全国郵便局長会での発言をめぐって与野党で折り合いがつかず、委員会の開会ができなくなったことでした。社民党が政権離脱し、委員数では野党の方が多数になったとはいえ、会期末も近づくなか、郵政「改革」法案という重要法案の審議も控える委員会です。普通なら、委員長を説得するなど与党の側で何らかの収拾策を考えるはずですが、そうした動きはまったくありませんでした。
「鳩山首相では参院選を戦えない」との声が多い民主党の参院側に、「国会運営も大変になった」として「鳩山下ろし」の材料に使おうという思惑が働いているとしか考えられません。
そうだとすると、法案審議という国会の一番重要な仕事を、政局に利用するために放棄する、これまた許されない行いだといわねばなりません。午後、自民、公明両党が理事会も欠席する中、私は理事会に出て「野党第1、第2会派が出席できるよう与党、委員長が夕刻まで努力すべきだ」と主張。途中、民主国対からの「流会せよ」との指示も入りましたが、与党理事が夕刻まで「汗をかく」ことになりました。
ところが、与党は夕刻、自民、公明が出席しないにもかかわらず、国家公務員法改定案を審議している内閣委員会に対する連合審査申し入れの議決のための委員会を開会したいと言い出しました。再開された理事会で私は「いったん流会すると言いながら、それでは汗をかく方向が違う」と主張し、委員会には出席しませんでした(社民は出席)。
こうして、委員会正常化へのハードルを高めてまで議決した連合審査の申し入れですが、内閣委員会の委員長(自民)は、委員会で申し入れを受ける件を議題にせず、明日の連合審査はできないことに。こうなることはわかっていたはずなのに、あえて総務委員会で議決したのは、やっぱり政局がらみとしか考えられません。
法案審議をサボりながら、最後には強行する――これでは国会の自殺行為です。