文化・芸術の力で、希望ある日本に! 文化団体との懇談会
2010年05月26日
大変勉強になりました。様々な芸術団体の代表数十人が参加してくださり、「文化の公的助成拡充・改善を求める国会懇談会」がもたれました(党本部)。
「映画映像スタッフの社会的地位の向上を。映画制作、TV番組製作本数がものすごい勢いで減っている。大半の人が作品ごとに契約を結ぶフリースタッフ。違法派遣や労災も多い」
「歌舞伎座の建て替えで、美術・大道具など裏方の仕事がなくなった。せめて新歌舞伎座に入るまで裏方の生活を保障すべきではないか」
「クラシックコンサートが08年から09年に1000回減り、興行収入も80億円減った。原因のひとつは自治体合併。各自治体に1つあったホールが合併で減り、公演場所が半分に減った。しかも指定管理者制度で単純な合理化、予算カットがされている」
「逆に日本は音楽大国とも言える。全国にオーケストラは1000を超える。地方発のコンテンツを発信できる可能性もある。しかし、地方にプロデューサー的な人がいない。つないで新しいものをつくる人材育成を」
「芸術団体に対する公的助成の考え方の基本を変える必要がある。“個別の公演活動に対する支援”から“芸術団体を持続的に育てる支援”に」
「“いつまで芸術団体に助成するんですか?経営がうまくいったら支援しなくていいんでしょ?”という意見も繰り返し出る。もちろん商業的にやっているところは不要なところもあるが、非営利団体は支援が必要」
「能楽など伝統芸能は観光産業の柱にもなる。外国の人は本当に何をご覧になりたいのか。築地じゃないんじゃないか。しかし、歌舞伎以外、観光に応えるシステムができていない。全国の能楽堂のトイレを和式から様式に代える予算もない」
「米国に5年留学したが、日本のもつ文化力は外交政策にとっても十分な力になる。やはり教育。せっかく日本に生まれたのだから、日本の文化に誇りをもってほしい」
「昭和43年、男ばかりの世界だった講談師に女として入門した。当時、こんなにも廃れているものかと思ったが、いま、あーやっていてよかったなと感じている。“親孝行もの”は古いという人もあるけど、親を大事にすることに時代はない。皆一所懸命修行する。何十年やっても恵まれないが、24人しかいなかった講談師が4倍になった。女性の方も多くなった」
懇談会がすすむにつれ、“経済も落ち込み、日本全体がうつ状態になっている。文化・芸術の力で希望ある日本をつくろう”との思いが共通のものになりました。
司会役の私は最後に、「みなさんのご意見・ご要望を踏まえて、いっそう文化の公的助成の拡充に力を尽くします。すべての国民が文化・芸術に触れて、豊かに暮らせる社会をつくることは政治の大きな役割だと感じました。党国会議員団全員の仕事としてあたりたい。そのためにも私たち自身が、みなさんの実演、公演をもっともっと観ることからはじめたいと思います」とごあいさつ。笑いと拍手をいただきました。
懇談会は、はじめに市田忠義書記局長があいさつ、宮本たけし衆院議員・文部科学委員がこの間の国会での取り組みや党の考えを報告、参加者のみなさんからご意見をいただいたあと、こくた恵二国対委員長がまとめのあいさつをしました。