枝野行政刷新相に、「尾立議員問題」、ポリテクセンターについて質問
2010年05月20日
枝野幸男行政刷新相に、総務委員会で2つのテーマで質問。ひとつは、民主党の尾立源幸参院議員が、「事業仕分け」の際に行われる事前ヒアリングとして西日本高速道路会社を訪れ、取締役らに「圧力」を加えたとする一部報道について。
18日付「東京」は、政府の事業仕分けの中心メンバーである尾立議員が、4月30日に西日本高速道路会社を訪れ、高速道路サービスエリア、パーキングエリアのテナント選定をめぐる不正告発を受けて外部委員会を設置したことに対して、「拙速ではないか」と批判したと報じました。
枝野行政刷新相は、「圧力と誤解をされているような行為があったのではないかと報道等から見られるので、そういうことを遺憾に思っている。誤解を招く行動にはならないようにと要請をした」と答弁しました。
ただ、問題はこれで済まないと思います。そもそも、きょうからはじまった事業仕分け第2弾(後半)の対象に西日本高速道路会社は入っていません。しかも、前日の4月29日夕刻に同社会長に電話して、翌朝役員を集めさせたという突然の訪問であり、尾立議員一人だけによるヒアリングだったことなど、「事業仕分けの一環」というにはあまりに不自然です。枝野行政刷新担当相は、尾立議員が同社を訪問することを事前には知らなかったと認めました。
そして、経営への介入、圧力とも感じられる発言を行ったとすると、いったい「仕分け人」にそんな権限があるのか?なぜ尾立議員はそのような発言をしたのか?ということが問われます。事実関係をただして委員会に報告するよう枝野行政刷新相に求めました。
★次に取り上げたのは、独立行政法人雇用・能力開発機構の公共職業訓練施設「ポリテクセンター」(全国に61カ所あります)を廃止する動きについて。
先日訪問した「ポリテクセンター関東」では、@ものづくりに必要な知識、技能をわずか6カ月で習得する受講生の意欲の高さ、Aそれを支える熱心な指導員と高額な専門機器、B受講料無料、雇用保険も延長されるので生活費に困らない、などにより訓練修了後の就職率が8割を超えていることを示し、「求職者の早期就職に大変役に立っている」と政府の認識をただしました。
枝野行政刷新相は、「役に立っていることは否定しないが、国がやる必要はない。財源を委譲するなかで地方に移管する」と述べました。
しかし、「日経」の調査では、厳しい財政事情のなか移管を受け入れる意向を示している都道府県はゼロとなっています。私は、「地方が受け取らなければ廃止せよという枝野大臣の方針では、失業者を救済する点でも、技術の継承という点でも取り返しのつかないことになる」と批判。枝野行政刷新相は、「移管されなければすぐ廃止するという理解ではない」と答えざるを得ませんでした。
それにしてもドライな答弁だなと感じました。受講生や指導員の願い、地域の中小企業経営者の期待に心を寄せることもなく、ただ机上の算術で行政を「刷新」するのはやめた方がいいと思います。