川端文科相、千葉法務相に歴史問題、朝鮮学校無償化問題を質問
2010年05月14日
決算委員会で歴史問題と朝鮮学校の授業料無償化について質問しました。相手は千葉景子法相と川端達夫文科相。大事な答弁を引き出すことができました。
まず、「韓国併合100年・日韓知識人共同声明」(5月10日)が、「韓国併合」の過程や、「併合条約」をどう考えるかが「両民族の間の歴史問題の核心」、「和解と協力のための基本」であると指摘していることについての所見を求めました。
両大臣は、「政府・大臣としてはコメントを控えたい」としつつ、「共同声明の御労苦に心から敬意を申し上げる。『罪の許しは乞わねばならず、許しは与えられねばならない』とは大変含蓄のある言葉。私たちも自らの立場、韓国の方々の立場に十分に思いをいたしながら対応していく必要がある」(千葉法相)と答弁。
さらに、「韓国併合条約は、締結に当たって双方の立場が平等であったとは考えていない」という村山首相の答弁(1995年10月)を認めるか否か問うと、「内閣の継続性という点ではそういう位置づけにある」(川端文科相)との答弁がありました。
次いで、朝鮮学校の高校授業料無償化にかかわって、外国人登録で在日朝鮮人が有する「朝鮮籍」とはどういう歴史的経緯でもたらされたのか質問。
千葉法相は、「韓国併合」によって日本人とされた朝鮮人たちが、1952年のサンフランシスコ条約の発効で日本国籍を喪失し、朝鮮半島出身を示す「朝鮮籍」となった経緯を説明。「在日朝鮮人の中には自分の意思によらず、日本に渡らざるを得なかった人の子孫がいることは否定できない」と述べました。
そのうえで、鳩山首相が昨年10月の日韓首脳会談後の記者会見で「新政権は、歴史をまっすぐ正しく見つめる勇気を持った政権」と述べたことを取り上げて、「朝鮮学校の無償化は、植民地支配の反省に立ち、将来にわたり隣国との友好関係を築く上でも重要な政策となるのではないか」と質問。
川端文科相は、「拉致問題を抱えている国の関与する学校に出していいのかという論も、逆に、戦前、植民地時代を含めていろいろ日韓、朝鮮半島間にはあったからという、いずれの外交的観点も一切排して、純粋に、高校の課程に類するものに学んでいるかどうかを判断する立場だ」と答弁。拉致問題は判断の基準にしないと担当相が明言したのは重要です。
千葉法相は、「スポーツの分野や定期券の学割などこれまでも知恵が絞られてきた。歴史を直視し、前向きにという鳩山政権の考え方を念頭に議論がされていくべきだと理解している」と答弁しました。
ある朝鮮学校生徒の47歳のお母さんは、「私たちは、普通に日本に住んでいる市民。ただ、民族のアイデンティティーを保ちたいと思っているだけ」「朝鮮籍というのは、北朝鮮国籍とは違うということを皆にわかってほしい。私たちは戦争前の南北に分かれる前の朝鮮半島出身の民族の子孫なのです」と語っています。
こうした歴史的経緯、声を踏まえて冷静に、そして、子どもの学ぶ権利が平等に保障されるよう対応することを強く求めて質問を終えました。
★午前中、党本部で会議。志位委員長はじめ訪米団から報告を受けました。決算委員会を終え、夕刻、党総務部会。「郵政改革」法案、電波法改定案について議論。最終近くの新幹線で帰阪。自宅着は0時30分。おつかれさま〜。