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子どもの発達に対する「国の責任」を放棄していいのか!――「地域主権改革」一括法案の審議はじまる

2010年04月13日

 総務委員会で「地域主権改革」一括法案の審議が始まりました。「地域のことは地域に住む住民が責任をもって決める」というのが鳩山政権のいう「地域主権」だそうですが、日本共産党は、「地域主権」の名の下に、これまで多年にわたる国民の努力で築き上げてきた社会保障に対する「国の責任」を放棄することには断固反対です。

 「地域主権改革」一括法案では、41もの法律が改定されます。そのなかには、国民の安全にかかわる規制や、子どもの発達にかかわる基準も多く含まれています。これらを「地域主権」の名のもとに、一括して地方に「丸投げ」していいのか?慎重に検討しなければなりません。

 そこできょうは、「児童福祉法」改定案について、山井厚生労働政務官に質問しました。

 現行の児童福祉法45条には「厚生労働大臣は、児童福祉施設の設備および運営について、最低基準を定めなければならない」とあります。ところが、改定案では「厚生労働大臣は」「最低基準を」の文言がばっさり削られて、「都道府県は」「条例で基準を定めなければならない」と変えられています。

 国が決める「最低基準」をなくしてしまうということです。いまの「児童福祉施設最低基準」の「最低基準の目的」には「最低基準は、児童福祉施設に入所している者が、明るくて、衛生的な環境において、素養があり、かつ、適切な訓練を受けた職員の指導により、心身ともに健やかにして、社会に適応するように育成されることを保障するものとする」と明記されています。

 改めて読んで感動を覚えました。「明るくて、衛生的な環境」「素養があり、かつ、適切な訓練を受けた職員」――子どもたちが心身ともに健やかに発達できる環境を、国が責任をもって保証するんだという決意が感じられます。

 それだけではありません。「児童福祉施設最低基準」には「最低基準の向上」という項目があり、そこには「都道府県知事は、その監督に属する児童福祉施設に対し、最低基準を超えて、その設備及び運営を向上させるように勧告することができる」「厚生労働大臣は、最低基準を常に向上させるように努めるものとする」とあります。

 すばらしい!子どもたちの健やかな発達のために国が保障する水準は、時代とともに逐次高められなければならない、後退させてはならない、との哲学が感じられます。

 そのことを述べたうえで、私は山井政務官に、「児童福祉法の最低基準に込められたこの決意、哲学、絶対になくしてはならないものだと思うがいかがか」と質問。

 山井政務官は「最低基準をしっかり保障していく決意、理念は大事だ。子どもは声をあげられない。公が保障しなければならない」と答弁。私は「だったら、最低基準をなくすようなことはやめるべきだ。最低基準をなくすということは、子どもたちに最善の環境を提供する国の責任、決意、哲学を投げ捨てるということだ」と迫りました。

 山井政務官は「投げ捨てるものではない。(地方の)条例に委任したとしても引き続き向上するものと考えている」といいますが、国の最低基準をなくしてしまえば何の保証もありません。

 さらに、改定案では「都道府県が条例を定めるにあたっては、厚生労働省令で定める基準に従って定めるものとする」とされていますが、「厚生労働省令で定める基準」が現在の最低基準と同一になるのかとの問いに、政務官は「現在の最低基準を基本に考える」と答えるだけで、現在の最低基準と同一にするとは答えませんでした。

 これは重大です。あらたにつくる厚生労働省の「基準」が、現在の最低基準より低いものとなれば、いくらそれに「従って定め」たとしても、地方の基準が現在より下がることになります。後退させてはならない子どもの発達保障の水準を下げることになります。そんなことを、法案が通ったあと「省令」で勝手に決めさせるわけにはいきません。

 私は、委員会に省令案の内容を示すよう要求。総務委員長も「理事会で協議する」としました。

 そのうえで、先日訪問した山梨県甲府市の児童養護施設の様子を紹介し、現在の最低基準がいかにギリギリの基準か、子どもの発達保障には最低限のものであり、引き上げることが求められているかを述べ、こうした問題をひとつひとつ検討しないまま、「地域主権」の名で一括して変えてしまうやり方は間違っていると指摘し質問を終えました。

 質問終了後、総務委員会理事懇談会の協議で、私の要求を委員長から厚生労働省に求めることになりました。ひきつづき、委員会審議を通じて問題点を明らかにしていきたいと思います。

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