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中学教師の過労死裁判で申し入れ

2010年04月02日

 自分の妻がこういう亡くなり方をしたら、たまらなくつらく悔しいだろうな…そう思いながら、中学教師の過労死裁判での夫・Tさんの意見陳述書を読みました。

 Tさんの妻は、1997年に大阪・堺市立中学校の2年生の担任になります。当時、学校はいわゆる「荒れた」状態にありました。Tさんの妻も、男子生徒に腹を殴られる、職員室で椅子に座ったまま引き回される、体育大会のタイヤ引きリレーで無視される、授業中に生徒からとりあげた漫画を奪い返されたうえ隠される、など数々の問題行動に直面します。

 それでもTさんの妻は、学校の荒れを何とか改善したいと心から思っていました。このままでは、暴力が当たり前、最低限の学力も身につかないまま大切な成長期をいたずらに過ごしてしまうと心配していました。教師としての良心がある以上、この問題から逃げることはできないと思っていました。多くの教師が真剣に考えていたのですが、学校としての対応がなく、教師が個人的に必死に対応していました。

 授業中のエスケープや妨害で、授業が成立しないため、生徒が後でもわかるようにと、Tさんの妻は、毎晩夜遅くまで自宅でプリントをつくっていました。最低限の学力を身につけさせるのは、教師の責任だからです。でも、「せっかくつくったプリントが紙くずや紙飛行機にされて飛ばされるのを見るのはたまらん」と訴えていたそうです。

 担任になって2カ月後、心療内科でうつ病と診断され、医師から「3カ月休職」の診断書が出されたTさんの妻。しかし、教頭に「先生が休むと子どもが見捨てられたと思う。がんばってください」と言われ、結局休まないことになりました。そして11月、漫画事件が最後の授業となり、緊急入院。休職して自宅療養を続けましたが、1998年10月、51歳で自殺したのです。

 妻が自殺したのは、生徒の対教師暴力や学校の支援不足が原因だったとして、Tさんは「公務災害」と認めなかった地方公務員災害補償基金の処分の取り消しを求めて裁判を起こします。今年3月29日、大阪地裁は「自殺と公務との間に因果関係が認められる」として、処分の取り消しを命じました。当然のことです。

photo きょう、Tさんや大阪教職員組合はじめ支援者のみなさんといっしょに、地方公務員災害補償基金の本部を訪ね、控訴しないよう申し入れを行いました。Tさんの妻の自殺が「公務災害」であることをきちんと認めてこそ、学校現場で起こっている問題を社会に提起し、再発防止のための対策をとることができます。

 文科省の2008年度調査によると、全国の小中高校での児童生徒による暴力行為は前年度から約7000件増の5万9618件。うつ病など精神疾患による休職者も5400人で10年前の2・8倍。ともに過去最多です。カウンセラーによる面談の定期実施など精神的に疲れた教師を現場でサポートできる体制を急ぐとともに、より根本的には、教師の増員と少人数学級の拡充が必要です。

 その転機とするためにも、基金は控訴を断念すべきです。

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