予算公聴会 「ミスター円」に質問 「ポチの条件」とは?
2010年03月16日
予算委員会公聴会。「ミスター円」こと榊原英資・早稲田大学教授に日本経済の構造問題を質問しました。
1990年からG7のGDP(名目)伸び率をみると、他の6カ国が1・9倍〜2・5倍に伸びているなかで、日本だけがまったくの横ばいで取り残されています。1人当たりGDPでも、96年には日本は7か国中トップでしたが、次々抜かれ、07年には最下位になりました。
まさに日本経済にとって「失われた20年」。当面の景気対策にとどまらず、「成長しない経済」の構造を変える必要があります。
その点を問うと榊原氏は「そのとおり。失われた20年からどうやって成長するか。私はヨーロッパ型福祉社会に転換することだと考える」との答え。
日本経済全体の成長が止まっているもとでも、大企業の利益と内部留保が増え続けるという状態が続きました。とくに2000年代に入って、大企業は利益を拡大し続け、03年から07年にかけて史上最高益を5年連続で更新しました。内部留保は、97年から07年の間に142兆円から229兆円へと積み上がりました。
一方で、雇用者報酬は大きく減少しました。97年の279兆円から09年の253兆円に1割減。先進国で雇用者報酬が減少したのは日本だけです。
大企業が利益を増やしたことが問題ではありません。大企業の利益や内部留保を「減らす」ことを政策目的にすべきでもありません。大企業だけに富が集中し、それが企業の中にとどまり、実体経済――国民の暮らしや設備投資に回っていかない――この仕組みを改革することが求められています。(このあたりは、榊原氏もうんうん頷きながら聞いていました)
たとえば、安上がりな使い捨て雇用を拡大した労働法制の規制緩和を転換すること、大企業と中小企業の公正な取引を実現するルールと実効体制を確立することなどです。
榊原氏の答えは「企業に雇用を強制するより、国が福祉・雇用政策を」と従来の枠を出るものではありませんでしたが、大企業が利益と内部留保を増やす一方で、雇用者報酬が減るという日本経済の特異なゆがみについては否定しようがありませんでした。
きょうの質問のベースは『前衛』4月号の党政策委員会事務局長・寺沢氏の論文。国民の暮らしと日本経済の発展方向を大局的に示す日本共産党の改革方針、経済政策の威力を実感できました。
★午後は、元自衛隊幹部の志方俊之・帝京大学法学部教授に質問。志方氏が、米国の「核抑止力」に依存していることなどを「ポチの条件」と述べたので、▼米海兵隊が配備され、米空母の母校がおかれているのは世界で日本だけ、▼犯罪を犯した米兵が日米地位協定の治外法権的な特権によって守られるという屈辱的自体が繰り返し問題となっているのに、半世紀にわたって地位協定がいっさい改定されない、などを列挙。
「これらこそ“ポチの条件”だ。日米安保条約の是非については立場が違うとしても、世界でも突出したこうした従属的・屈辱的な事態は改めるべきではないか」と問いました。
志方氏は「改める必要はあると思う。海兵隊は沖縄を守っているわけではない。地位協定は改善した方がよい」と答えました。
この質問のベースは25回党大会決定。こちらも威力抜群です。
★夕方、参院総務委員会で質問する予定でしたが、原口総務相が遅刻してきたために「流会」となりました。先日の予算委員会に続いて2回目。反省と自覚が足りません。きょうの予算公聴会も与党議員の欠席で開会が6分遅れるという事態が起こりましたが、政府・与党のみなさん、ちょっと緩みすぎじゃないですか?
★きょうも夕食を作りました。エリンギ、小松菜、赤ピーマンのオイスターソース炒めに、豚肉とごぼうのきんぴら。どうだ〜!