2010年01月21日
このところ地方の問題を勉強しています。先日は、民主党の「地域主権改革」について大学の先生をお招きして勉強会。きょうは、深刻な地方財政について総務省の担当者からレクチャー。
そもそも、「地域」と「主権」という二重の難解な概念で構成される複合概念を、いとも簡単に使う狙いはどこにあるのか?旧政権の「地方分権改革」とどこが違うのか?系統的に追いかけて分析・批判する必要がありそうです。
旧政権の「地方分権改革」は、財政支援もなしに国の仕事がどんどん地方に降りてくる、というのが実態でした。いまや、地方財政は、90年代の国から地方への公共事業の押しつけ(借金の増大)、その後の地方交付税の大幅削減に加え、税収の落ち込みで、いっそう深刻な事態となっています。
ここまで地方財政を悪化させておいて、“大人なのだから点滴を打ちながらでも一人で歩きなさい”というような「地域主権改革」なら、独り立ちどころか倒れる自治体も出てくるのではないでしょうか。
そこで、“基礎自治体はもっと体力をつけなければならない”と、新たな市町村合併がすすめられる。さらには、都道府県をなくして「道州制」に移行し、福祉や教育の「ナショナルミニマム」(国の最低基準)は放棄して、「道州ミニマム」にしてしまう…
財界にとっては、財政危機のもとで自分たちの負担を増やさずにすむ、じつに都合のいい“国のかたち”です。
そういう方向に行かないようにするためにも、新政権の「地域主権改革」の内容をチェックするとともに、「住民の福祉の増進」(地方自治法第1条)に努力する自治体の役割にうんと光を当てていきたいと思います。