あったか連帯ウェブ 日本共産党参議院議員山下よしき
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(続報)中央大学での質問、回答、感想です

2009年07月02日

photo 中央大学での「講演会」(6/26)の続報です。休憩中に学生のみなさんがカリカリカリカリ……と書いてくれた質問用紙が私の手元に次々届きます。サッと目を通し、内容ごとにグループ分けして回答することに。

★まずは雇用問題。
 ◇オランダの話で失業保険が3年出るとありましたが、労働者は働く意欲を失うのではないでしょうか?
 ◇雇用対策ではいま何をすべきだと思いますか?
 との質問です。

 なるほど、新鮮な角度からの疑問です。私は、NHKで紹介された、「派遣切り」にあった大阪の27歳の若者のことを話しました。彼はホームレス状態だったところを助けられます。そして、弁護士の支援も受け生活保護制度を活用します。それでアパートを借り、中古のPCを手に入れて自分で勉強をはじめます。

 行政からは「早く仕事に就くように」と迫られるのですが、彼はそれを断り、PCをマスターしようとがんばります。なぜか。これまで彼は、高校を卒業してからずっと、派遣労働者として不安定な仕事を転々としてきたのです。「もう二度と派遣の仕事には戻りたくない。ホームレスにはなりたくない」。それが彼の強い思いなのです。

 自分の職業能力を高め、安定した仕事を見つけるためには、最低限、「住む」「食べる」には困らないことが絶対条件です。そのうえで、お金と時間も必要です。それが保証されなければ、きょうを食べて生きるために、彼はまた劣悪な仕事に舞い戻るしかありません。

 セーフティーネットを厚くしてこそ、人間らしい、自立した生活へのスタートラインに着くことができる、「働く意欲」も生まれてくるのだと思います。
 
 「雇用対策でいま何をすべきか?」の問いには、ズバリ、「連帯だと思います」と答えました。目の前で困っている人をほっておいて、いくら「人間らしく働けるルールを」と口で言ってもそれは嘘になります。「派遣切り」で仕事も住まいも失った人たちを支援し、違法な「派遣切り」を許さないたたかいを大きくするなかで、新しいルールができるのだと思います。

★次に核問題。
 ◇オバマのプラハ演説について賛同するとおっしゃっていましたが、イスラエルの核について、アメリカのアクションがないことはどうお考えになりますか?
 との質問がありました。

 「イスラエルの核」もそうかもしれませんが、いちばん大きな矛盾は、世界の国を、「核兵器を持っていい国」と「持ってはいけない国」に差別しているNPT(核不拡散)体制にあります。この体制が合理性を持つためには、核保有国が核兵器廃絶を約束し、実行することがなければなりません。オバマ演説はその点でも大きな意味があると思います。

★自衛隊についての質問も複数ありました。
 ◇学生のころ(民青同盟に加盟する前)自衛隊の廃止に反対する意見を持っていたとおっしゃっていましたが、現在は自衛隊を廃止すべきだというお立場なのですか?
 ◇アメリカの傘から脱却するために自主憲法の制定もしくは改憲が必要だと思うのですが、如何お考えでしょうか。現時点で自衛隊は違憲だと私は考えます。アメリカの軍事力が引き上げるとするならば当然自衛のための戦力が必要になります。そのためにも憲法を改正して自衛隊を合憲とし、戦力を保持するべきだと私は思います。
 というものです。

 日本共産党の憲法・安全保障政策にかかわってよく出される質問のひとつです。私は、日本共産党の大方針である「綱領」に、答えがはっきり書かれていることを説明。

 @ 日本共産党も参加する「民主連合政府」ができれば、日本とアメリカとの軍事同盟である日米安保条約は、第10条の手続きに則って「廃棄」することを通告します。1年後には米軍は日本からすべて撤退しなければなりません。沖縄はじめ全国の米軍基地はなくなります。

 A そのとき、米軍はいなくなりますが、自衛隊は存在します。民主連合政府もとで、自衛隊の海外派兵はやめる、米軍の補完部隊としての性格をなくす、思い切った軍縮をすすめる、などを実施します。

 B 民主連合政府は、憲法9条を高く掲げて、積極的な平和外交を展開します。そのもとで、北朝鮮の核問題が6カ国協議を通じて平和的に解決され、北東アジアの平和と安定を保障する新たな枠組みができるなど、日本の安全保障をめぐる情勢が大きく前進し、国民のなかに「日本が武力侵略を受ける心配はなくなった」「常備軍を持つ必要はなくなった」という認識がひろがれば、国民合意のもとで、「憲法9条の完全実施」すなわち「自衛隊の解消」に踏み出します。

 これが日本共産党の憲法・安全保障政策の柱です。「自衛隊の解消」に至る前の段階で、万が一、日本が急迫不正の武力侵略を受けることがあれば、民主連合政府は国民とともに可能なあらゆる手段を用いて侵略に抵抗します。その場合、自衛隊の活用も排除されません。

 したがって、民主連合政府のもとで、しばらくは、「違憲」の自衛隊が存在するという矛盾した状態が続きます。しかし、この矛盾は、日本共産党が責任を負わねばならないものではありません。憲法9条があるにもかかわらず、日本の占領政策を転換し、「警察予備隊」(自衛隊の前身)を創設し、日本の再軍備をすすめたアメリカと歴代自民党政権に責任がある問題です。

 この矛盾を、私たちは、憲法9条に現実をあわせる形で解決する立場にたっています。それが21世紀の世界の変化に合致する立場でもあると考えています。

★歴史認識に関わる質問もありました。
 ◇先の大戦を「侵略戦争」とおっしゃいましたが、1951年の米上院議会安全保障・外交委員会でGHQの総司令官だったマッカーサーが、▼日本は養蚕業以外に産業がない、▼石油やスズや資源を止められたら、大量の失業者が出る、▼先の大戦は日本にとって安全保障上の理由がほとんどだったと言っているが、それに関してはどう思いますか?
 という質問です。

 質問内容を読み上げながら、私は「こういうのを『侵略戦争』というのではないでしょうか?」と問題提起。だって、自分の都合で、他国の領土と資源を奪うのですから。奪われる側の人たちの気持ちを考える必要があります。

 そのうえで、靖国神社やそれを信奉する政治家たちが、日本の起こした戦争を「自存自衛の戦争だった」「アジアを解放するための戦争だった」と主張しているが、そういう勢力には「2つの問い」をぶつけたいとお話。

 @ひとつは、「日本がたたかった戦場はどこだったか?」という問いです。

 戦争の性格を考えるうえで、戦場がどこだったかは重要な要素となります。アジア太平洋戦争では、確かに、東京や大阪はじめ日本の主な都市が空襲を受けました。沖縄では地上戦が戦われ、広島、長崎には原子爆弾が投下されました。

 しかし、これらはすべて戦争の末期であって、そこに至るまでに日本軍が侵攻した地域は、中国、ビルマ、タイ、仏領インドシナ、マレー半島、シンガポール、スマトラ、ジャワ、フィリピン、レイテ島、英領ボルネオ、セレベス、ニューギニア、ソロモン諸島、ガダルカナル島など広範囲に及びます。

 日本からはるか何千キロも離れた地域、国々まで侵攻しておいて、「自存自衛」の戦争、日本を守るための戦争などとどうして言えるでしょうか。

 Aもうひとつは、「“日本のおかげで独立できた”と感謝したアジアの国がひとつでもあったか?」という問いです。
 
 1951年のサンフランシスコ講和会議には、日本とたたかった相手国の多くが参加しました。「それらの国のなかで、“日本の戦争のおかげで独立できた”と日本に感謝の言葉を述べた国がひとつでもありましたか?」という質問を、私の先輩議員でもある日本共産党の吉岡吉典参議院議員(当時)が20年ほど前の国会で行いました。

 政府の答弁は「そのような国はなかったと承知しております」というものでした。これが歴史の事実です。サンフランシスコ講和会議の議事録にあるアジア各国の政府代表の発言は、すべて“私たちの国では日本軍によって何百万人殺されました”“まちや村がこんなに破壊されました”など、日本の侵略による被害を告発するものであって、“日本のおかげで独立できた”などという感謝の言葉は一切ありません。

 「アジア解放」のための戦争だったなどという言い分は、アジアの中では絶対に通用しないものなのです。

 日本がアジアに対して行った戦争は、それぞれの国の領土と資源を奪うための明白な侵略戦争でした。その反省の上に、日本国憲法ができたことを私たちはけっして忘れてはならないと思います。

★日本共産党そのものへの質問もありました。
 ◇昨年、チベットでの中国共産党による虐殺行為が問題になったけれど、なぜ日本共産党は「党友」である中共に対し、猛抗議をしなかったのですか?
 ◇共産党という名前だけである意味避けたくなるような先入観を持つ人も多いと思うが、そのような人に対して何かイメージの変革を促す行動をする予定はあるか? 

 まず、チベット問題ですが、外国の内政問題について意見を述べるときには節度を持って述べなければなりません。それと、日本共産党と中国共産党とは1966年から1998年までの32年間、関係が途絶えていました。中国側からの日本共産党に対する干渉攻撃が原因ですが、それがきちんと総括されたので関係を正常化しました。

 関係正常化の際、日本共産党の不破哲三委員長(当時)は、「長い空白があったのだから、お互いに白紙の状態から交流しましょう」と中国側に話ししました。そして、交流が始まったはじめの頃、「政府の方針に反対する国民の言論活動に対しては、言論によって国民を説得する必要があると考えます」とも述べました。

 これは、天安門事件のことを念頭に置いての発言ですが、チベット問題についても同じ立場です。

 「共産党」という党名問題については、先の「居酒屋トーク」と同じく、「マルクスって知ってる?」からお話ししました(割愛)。

 以上、1時間の講演のあとの、30分のQ&A。ぶっつけ本番でしたが、学生のみなさんはとても真剣に聞いてくれ、受け止めてくれているのがわかりました。

★翌日、感想が届きました。

 ♪共産党に対するイメージが変わった。世界が変動している中で、日本もいま求められている変化をすべきだと思った。どうしたら日本を変革できるんだろう?(1年・女性・友人に誘われて)

 ♪やはり共産党は支持するに値する党であると思う。マルクスの理論をわかりやすく伝えることは難しいだろうと思うが、それができたとき、日本共産党は日本を変える政党になれると感じた。(1年・男性・友人に誘われて)

 ♪心が熱くなりました。改めて日本のあまりにもおかしな政策を思って、怒りよりも恐ろしさを感じました。日本はなんで政治がダメになるのでしょうか?人が関心を持たないからでしょうか?(2年・男性・友人に誘われて)

 ♪共産党でも議員として活躍されている方のお話だったので説得力があると感じた。共産党員としてだけでなく、1人の人間として社会を変えようという熱意を感じた。(1年・男性・友人に誘われて)

 ♪共通認識もあれば、見解の異なる部分もあった。いろいろな意味で大変勉強になりました。(4年・男性・チラシ、ポスター、立て看板をみて)

 ♪大変愉快なお話でした。共産党に投票するのはやめようと思いました。(4年・男性・ポスター、立て看板をみて)

 ♪共産党のチベット問題、自衛隊に対する考え方は初めて知ったので有意義だった。でももっと勉強します。(2年)

 ♪忙しい中、話をしてくださって嬉しかったです。在日米軍が日本を守るためのものだと思っている人は多いですが、そうではないということを含めて、憲法の中身のすばらしさ、9条を守ることの大切さを語りたいです。(3年)

 ♪先進国やヨーロッパの動きと反対に、日本の学費がとびぬけて高いという状況に、悲しくなります。若者、ひいては国のこれからのためには、教育、雇用の充実というのは欠かせない課題だと思いました。(4年・友人に誘われて)

 ♪戦争の性格を見るときに、戦場を見て考えると良く分かる、という話は、たしかに!というかんじがしました。山下さんは党に本当にほこりを持っているんだなって話を聞いてて思いました。共産党宣伝センスねーよって意見は否定できません。私が変えてみせます。(3年・女性)

 ♪教育無償化を採用している国の教育に対する考え方が素晴らしいと思います。もし学費が無償化、あるいは免除の幅が拡がれば、若者の願いの実現だと思います。自分自身も今年から奨学金をとらざるをえない状況になりましたが、卒業後に「借金」を背負わなければいけないという将来が本当に不安です。話を聞いて、苦しんでいる自分たち学生も声をあげていくことが大事だと感じました。(3年・男性)

 ♪学費の問題に関しては同意できるところも多く感じました。雇用問題でも国会等の厳しい追及の柱となる論を聞けたのは有益であった。自衛隊の扱いについて疑問に感じていた部分が解消できた。(2年・男性・チラシをみて)

 ♪資料や各国での運動や法制度など具体例をしめしながらの講演は、想像しやすく、またとてもわかりやすいものだったと思います。とくに奨学金ではなくただの貸金であるとの言葉は非常に納得できるものでした。まともに暮らせる社会になるように、初めて使うことになる選挙権とともに、政治を見ていきたいと思いました。(3年・男性・友人に誘われて)

 ♪日本の現代の問題について、他の政党とは異なる新しい考え方で解決しようとしていることが理解できた。学費、雇用の問題などは生活に直結していることであり、いまの状況の悪さを見ると、このままではよりいっそう深刻になると思った。企業献金はどの程度政党に影響を与えるのか、またなぜ政治にそれほど資金が必要なのか。(1年・男性・友人に誘われて)

★たくさんの感想ありがとうございました。みなさんしっかり受け止め、考えてくれていることがわかりました。全部でなくても、部分的にでも、共感してくれたらうれしいです。

 「共産党のイメージが変わった」「支持に値する党だと思う」なんて、講演した甲斐がありました。アリガトー!

 「共産党に投票するのはやめようと思いました」という人も来てくれてアリガトー!なんでそう思ったのか、また聞かせてくださいね。

 そして、講演会を準備してくれた実行委員会のみなさん、素晴らしい出会いをアリガトー!

 未来は青年のもの!青年動くとき、すでに勝利の光あり!ガンバロー!
 



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