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滋賀・湖南市、甲賀市で「定住外国人」に関する調査

2009年05月19日

 18日午後は、「定住外国人」に関する調査のために滋賀県へ。「外国人登録者」が人口の約6%(3,340人)にのぼる湖南市を訪問し、谷畑英吾市長から市の施策と国への要望を聞かせていただきました。

 湖南市で外国人が増えたのは1990年から。「入国管理法」改正で日系3世に「制限のない在留資格」が認められるようになり、ブラジル、ペルーからやってくる人が急増しました。外国人派遣の専門会社が、同市にある工業団地の住宅の空き家を借り上げ、そこから県内外のさまざまな企業に「安価な労働力」として供給したことも背景にあります。

 谷畑市長は、自治体が、こうした外国人に「住民」としての基本的なサービスを提供し、人権を守るために、どんな努力をしているか、約1時間にわたり熱っぽく語ってくれました。

photo たとえば、通訳の配置です。現在、市役所窓口に8名の通訳者を配置しています。外国人からの相談は1カ月に1000件を超えるそうです。市の広報もポルトガル語、スペイン語に翻訳して配布しています。(写真は、地図、ゴミ出し、生活ガイド、広報のポルトガル語版)

 外国人の子どもたちの教育も特別の対応が必要です。日本語がわからない子どもが1クラスに5〜6人いる学校もあり、当初、授業が成り立たなかったそうです。そこで、市独自に日本語初期指導教室(さくら教室)を開設したり、学校に通訳者を配置したりしています。

photo 谷畑市長は、「全国一斉学力テスト」で湖南市の平均点が下がるのは当然で、テスト結果を序列化して公表するようなことがあれば湖南市は「全国一斉学力テスト」から離脱すると宣言しているとのことでした。たいした識見です。

 こうした努力を続けてきた湖南市ですが、昨年秋以降の世界経済危機は、定住外国人の雇用と生活を直撃しています。最近の外国人の相談対応から見えてくることは…

(生活)
・収入が減って税金が払えないといって分納などの手続きをする人が増加した。
・帰国したいがお金がない。父だけを日本に残して帰国する人もいる。
・収入が減って生活費が足りない。
・再入国ができないことで帰国支援金を活用する人が少ない。

(雇用)
・大手派遣会社でも大量に解雇(1,700人いた従業員が500人以下)になっている。
・日本語が話せない外国人には再就職の機会がほとんどない。
・甲賀ハローワークでは、3、4時間待ち。
・解雇にはなっていないが、就業時間がかなり減り収入が減った。

(住宅)
・親戚や友人の家に集まって住んでいる外国人が多いが限界にきている。
・家賃の滞納などで家を追い出されるのではないかと不安を抱えている人が多い。
・住宅ローンが払えない。

(教育)
・ブラジル人学校の授業料が払えず学校をやめる生徒が増加。
・その割に公立学校の転入数は大きく増えていない。
・不就学の児童生徒の増加が予想される。
・保護者の不安が直接子どもに影響している。(不安定・病気がちな子ども)

(その他)
・日本語の勉強や就職に役立つ日本語を勉強したいという人が増加。

 とのことでした。深刻な事態です。谷畑市長は、食料物資の支援、一時避難所の準備などの「緊急支援」、職業訓練や技能職養成講座の実施、派遣会社でなく地域や外国人自身が自立することで支える仕組みづくりなどの「中長期支援」が必要とされていると強調されました。

 湖南市が外国人への支援をやればやるほど外国人が集まってくるそうです。基本的人権を保障するのは国の責務であり、自治体丸投げはだめだ、との指摘は、外国人が集住する全国27の自治体を代表しての訴えと聞きました。

 国籍にかかわらず、「住民」に基本的なサービスを提供し、人権を守るためにがんばる湖南市の姿勢には感動すら覚えました。そうした自治体の努力をつかみ、財政的にも応援するのが政府の責任です。国会でしっかり問題提起したいと思います。貴重な報告をありがとうございました。

 ★続いて、こちらも定住外国人が多い(人口の約3.4%、3,243人)甲賀市を訪問。富田博明市民環境部長(以前、公立病院問題のシンポジウムでお話をしてくださった方です)からお話を伺いました。

photo 甲賀市でも、子どもたちに日本語指導や母語(スペイン語、ポルトガル語、中国語)支援を行うための講師や支援員を配置するなどの対応をされていました。

 新型インフルエンザの広報もポルトガル語に翻訳中でした。失業しても日本で暮らしたいと考えている人が多いとのこと。しかし、日本語が話せないとなかなか企業に採用されません。外国人を採用する企業への通訳配置を国が支援してほしいとの要望をいただきました。なるほどこれは実践的です。

 ★その後、地域の雇用促進住宅の集会所をお借りして、外国人の方に集まっていただきました。

 「パスポートを預かり賃金から飛行機代を天引きされた」「9年間で仕事を5回変わった」などひどい労働条件で働いてきた方が多い。正社員はほとんどいなく、昨年秋以降、派遣会社から雇い止めにされたケースが目立ちました。

 国民健康保険料が払えなくなり保険証のない方も。う〜ん、グローバル化が叫ばれて久しいというのに、この国の外国人に対する対応の遅れにはホント恥ずかしくなります。

 生活、雇用、医療、住居、子どもの教育などたくさんの心配事、要望が出されました。個別あるいは集団で地元市会議員団とともに相談・解決していくことに。みなさん、ちょっとだけ明るい表情になってくれたのでほっとしました。お話を聞かせてもらって「オブリガータ!」(ありがとう!)

photo ★最後は、先日、上京してくださった雇用促進住宅の住民のみなさんと懇談。「この間はありがとうございました」「こちらこそ」と笑顔で会話が弾みました。引き続き、不当な住民追い出しをやめさせ、居住権を守るためにがんばりましょう!

 山岡光弘甲賀市議、坂田政富、田中文子、松井圭子の各湖南市議が同行してくれました。夜、草津からいったん京都に戻り、新幹線で上京。宿舎着は午後11時。おつかれさま〜。



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