2009年03月11日
行政にかかわる様々な問題で疑問が生じたときは、各府省の担当者に来てもらって直接説明を受けるのがいちばんよくわかります。きょうも議員会館で3つのレクチャー。
最初のテーマは、生活保護と就学援助の地方負担について。生活保護は国3:地方1の割合で、就学援助(準要保護者分)は国庫補助廃止により全額地方で財政負担することになっています。
そのために、低所得者が多い自治体ほど負担も多くなるという矛盾が生じています。地方負担分は地方交付税の基準財政需要額に「算定」しているというのですが、三位一体改革で地方交付税そのものが年間5.1兆円も削減されました。
結局、財政力の弱い自治体は、生活保護や就学援助にしっかり取り組むほど財政が苦しくなり、生活保護以外の住民サービスを縮小したり、就学援助の所得基準を引き下げたりしなければならなくなっているのです。自治体間で就学援助の所得基準に大きな格差(100万円も!)も生じています。
人間らしく生きる権利、子どもたちの学ぶ権利に、自治体ごとで格差があってはなりません。どこに問題があるのか、どうすればいいのか、総務省の担当者と生活保護制度、就学援助制度のそれぞれで議論を深めました。
2つ目のテーマは、北朝鮮のミサイル発射に対する対応について。北朝鮮は近くミサイル(ロケット?)を発射するといわれています。まず、国際関係を緊張させるそのような行為をやめさせることが大事ですが、仮に発射された場合どんな対応ができるのか、外務省の担当者と議論しました。
これまでの北朝鮮のミサイル発射に際しての国連決議の内容、宇宙開発の権利との関係、アメリカ、中国、ロシア、韓国の考えなどがからみあう問題を整理して考えなければなりません。政府・防衛省や自民、公明が主張する「迎撃」についても法的根拠が問われます。笠井亮衆院議員室で。
3つ目のテーマは、就学援助の準要保護者分の基準について。05年に国庫補助が廃止された際、「地方が独自に基準を決めている」ということが理由にされたそうです。では地方の基準はどういうものだったのか、それはどんな推移をたどってきたのか、それに対する国庫補助の考え方はどういうものだったのか。
文部科学省の担当者に説明を求めましたが、「あらためて調べてきます」という答え。なるほど、こんな基本的な問題も認識されていないことがよくわかりました。しっかり調べてもらいたい。
レクチャーの合間に、参院予算委員会での井上議員の質問を応援傍聴。二階経産相に「西松マネー」問題をただしました。「知りません」「憶えておりません」に終始する二階氏を間近に見ながら、あー、これは知っているな、憶えているな、と確信しました。
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夜のNHK「クローズアップ現代」。家庭の経済的困窮で授業料が払えなくなり高校を中途退学する生徒が急増している問題をリアルに報じました。番組は、中退後の若者たちがいまどうなっているかを追っていました。不安定な仕事で離転職を繰り返し、風俗や、犯罪に走る子も…。
「希望なんてない」「きょう、明日どうするかで精一杯」「できることなら生まれ変わりたい」「高校からやり直したい」――20歳の彼ら、彼女らの一言一言が胸に刺さりました。
規制緩和で安定した雇用が破壊され、親が重い教育費負担に耐えられなくなったとたん、子どもが教育を受けられなくなる、人生に夢も希望も持てなくされる。いま、私たちの社会のあり方が根本から問われています。