2009年02月12日
決まりました!きょうの総務委員会での質問。大阪府枚方市にある「近畿郵政レクリエーションセンター」跡地の不透明な売却を浮き彫りにすることができました。鳩山総務相も「国民の財産がいいように処理されている、そういう疑いを持ったとしてもおかしくない」と答えざるを得ませんでした。
昨日、現地調査した「枚方レクセンター」は、2万平米の広大な敷地。テニスコート6面、野球場1面、25メートルプール1つ、レストハウス、駐車場がありました。
近隣の住民に話を聞くと、「郵政の職員の方がしょっちゅうきてテニスをしていた。野球もよくやっていた。テニスコートは近隣住民にも安く開放されていた」とのこと。つまり、よく利用される施設だったわけです。それが、「郵政民営化法が成立して1年くらいしたころに閉鎖された」といいます。
立地も非常にいい。京阪電車の牧野駅から徒歩3分。上の写真は、隣接するマンションの13階から撮ったものですが、目の前に淀川の緑の堤防と河川敷ゴルフ場、川の向こうには北摂の山々が眺望できる、すばらしいロケーションです。マンション業者ならのどから手が出るくらいほしい物件だろうなと感じました。
実際、2007年3月、「枚方レクセンター」は、郵政公社から長谷工コーポレーションに売却されました。長谷工は、ここに地上15階と10階の2棟、計482戸のマンションを建設する計画です。
もともと枚方市の開発条例をクリアしていて、高さ制限も受けない好条件な土地。さぞ競争が激しかっただろうと思いきや、なんと、入札参加者は2グループしかありませんでした。どうしてそんなにことが起こるのか?
じつは、「枚方レクセンター」は、単体ではなく、他の177の郵政物件とまとめて一括売却(バルク売却)されました。単体ならもっと入札者が増えたかもしれませんが、全国に散らばる178もの物件を一括購入できる者などそうあるはずがありません。結局、入札した2つのグループのうち、長谷工を含む7社による共同購入グループが落札しました。
では、一括売却方式にすると決めたのは誰か?178物件を選んでバルクにしたのは誰か?郵政公社から不動産売却の媒介に関する業務委託を受けた中央三井信託銀行です。
中央三井信託銀行と長谷工コーポレーションの関係を調べてみました。有価証券報告書によると、中央三井信託銀行は長谷工コーポレーションの優先株の35%を所有していることがわかりました。長谷工が利益を増やせば、中央三井信託は受け取る配当が増えるという関係にあったのです。加えて、中央三井信託銀行は長谷工コーポレーションに対し85億円の長期貸し付けを行っていました。
そういう関係にある両者が、国民共有の財産ともいうべき郵政の不動産を、しかもとびきり優良な物件を、わずか2グループしか入札できないようなバルクにして、売却・購入したことになるわけです。
さらに驚いたことがあります。長谷工コーポレーションは、この物件を入手してすぐ、別の会社に転売していました。栄泉不動産というマンション販売会社です。調べると、栄泉不動産は、2005年、アメリカの投資会社・モルガンスタンレーグループの傘下に入っていました。「枚方レクセンター」跡地を手に入れた時はすでに、外資の傘下にあったことになります。
絵に描いたような構図が浮かび上がってきました。「かんぽの宿」だけではありませんでした。郵政民営化の流れの中で、国民共有の財産ともいうべき郵政の土地・建物が、日米の金融資本とゼネコンの餌食となっていたのです。
私が、ひとつひとつ事実を明らかにするたびに、委員会室は「おおーっ」とどよめきました。鳩山総務相の表情も徐々にこわばり、冒頭紹介した答弁も、慎重に言葉を選ぶようにして出されました。
しかし、この構図こそ、郵政民営化の本質です。「枚方レクセンター」は典型例のひとつに過ぎません。担当大臣が疑念を抱くような郵政の資産売却の全容を明らかにすることは、国民に対する政府と国会の責務です。
それにしても、この3日間、わが国会山下室と地元スタッフの集中力はものすごかった。調査に協力してくださった中西秀美・枚方市議、けさ枚方の法務局に駆け込んで質問直前に登記簿のコピーをFAXしてくれた野田さんには大感謝です。引き続き、大きな問題にしていきたいと思います。
YOU TUBEを知り合いに紹介され、拝見させていただきました。
「かんぽの宿」なんて、甘かったんですね!全然知りませんでした。
これからも真実を国民に知らせるべく、(体に気をつけて)ぜひ頑張ってください。
どうぞよろしくお願いいたします。
投稿者:かな
20日の衆院の質疑でも、「かんぽの宿」だけでなく、公社時代からの郵政の資産売却
全体が問題となってきました。
全容解明と郵政民営化の抜本見直しへ、引き続き調査・質問したいと思います。
中川前財務相の辞任についてのご意見も参考にさせていただきます。
投稿者:山下よしき