午前中、三菱重工高砂製作所（兵庫県高砂市）で派遣社員として勤務する圓山浩典さん（４６）ら「はりまユニオン」のみなさんと懇談。昨年、日弁連の院内集会で圓山さんとお会いして以来、一度じっくり話を伺いたいと思っていたのですが、きょうそれがかないました。

　圓山さんは００年５月、請負会社の社員として同製作所で働きはじめました。請負会社は独自の工作設備を持たずに労働者を送り込むだけで、作業の指示は三菱重工の社員から受けていました。明らかに違法な「偽装請負」です。それが、０６年４月から、何の説明もないまま身分だけ「派遣」に変えられていたことを後で知ります。偽装請負が社会問題になる中、多くの製造大企業がとったやり方です。

　圓山さんは、９年近く、火力発電所のタービンを作ってきました。正社員と混在しながら、ラインで作業に当たってきました。忙しいときは「業者」と呼ばれる請負労働者、「労派」と呼ばれる派遣労働者の人数が増え、正社員と５：５の比率だったといいます。新人が入ってくれば、社員であれ請負・派遣労働者であれ、圓山さんたちベテランが仕事を教えます。

　圓山さんたち請負・派遣労働者は、「人よりもたくさん働く」「スピードでも品質でも人より上にいかんと残れない」「フラフラになっても、熱が出ても働きにいかんと３日休んだらクビになる」という過酷な境遇に置かれています。また、「３０分でやれ」「失敗するな」などと社員に上からものを言われます。それでも、家族を養わなければならない彼らは、仕事を失う怖さから声を上げられずにきました。

　派遣期間が３年を超える場合、派遣先企業は、直接雇用を申し込む義務が生じます。しかし、三菱重工高砂製作所は、期限の４月以降、基本的に請負労働者に戻し、一部を契約社員にする方針だといいます。契約社員といっても半年契約でその先どうなるかは不明です。圓山さんは昨年、「正社員として直接雇用」するよう三菱重工に申し入れました。勇気ある行動です。その後、「検討中」としか回答がなく、１月、直接雇用を求めて裁判を起こしました。

　長年にわたり三菱重工の生産を、社員とともに、いや社員以上に支えてきた請負・派遣労働者。本来なら「偽装請負」を是正する際、正社員にしなければならない人たちです。三菱重工にとって「臨時的・一時的」でなく恒常的に必要な仕事、かつ、社員と一緒に社員から指示を受けなければできない仕事を担ってきたのですから。

　大量の労働者が派遣期間３年を迎える「０９年問題」と、「世界同時不況」が重なった日本の労働現場の現局面。労働者を切り捨てる道理なき流れにストップをかけるうで、圓山さんのたたかいはたいへん大きな意義をもっています。きょうのお話をしっかり踏まえ、国政でともにたたかいたいと思います。

　午後は、４月に市議選が予定されている赤穂市へ。村坂やす子、川本孝明両市議と5カ所で街頭演説。国政での日本共産党の役割とともに、後期高齢者医療制度廃止の意見書提案、駅周辺整備事業はじめムリ・ムダをチェック、国保税減免や子どもの医療費無料化実現など、赤穂市政で果たす4人の議員団の役割を訴えました。

　なんと、きょうは赤穂の「かきまつり」だったそう。浜辺ではかきの磯焼きが振舞われるとのことですが、事前情報の不足で恩恵にあずかれず。残念。そのまま、一度自宅に寄って最終ののぞみで上京。