先日(10日)、参院予算委員会に4時間出席して、麻生首相について認識をあらたにしたことがあります。それは、彼は決して大阪のおばちゃんたちに井戸端会議で呼ばれているような“あほう首相”ではないということです。
世界経済の危機的状況について問われると、1929年に始まった世界大恐慌と今日のアメリカ発の金融危機の特徴を、ペーパーも見ないで解説してみせます。脇の甘い野党議員の質問に対しては、即座に矛盾点を突いて逆襲してきます。
(頭の回転はけっこう速いんだ)(主要閣僚や党の要職を歴任し、小なりといえども派閥の領袖を務める政治家だけのことはある)などと感じました。
たしかに、おかしな日本語の言い回しや失言の数は多いけれど、そんなものはこれまでの首相だってさほど変わりはありません。
ではどうしてこれほど短期間に支持率が急降下したのか?やはり、根底に自民党政治そのものの行き詰まりがあるのだと思います。
世界は変わりつつあるのに、いつまでもアメリカの覇権主義的な行動に盲目的に追従する政治。「派遣切り」や社会保障の後退で人々の生活がかつてなく貧困化しているさなかに、消費税増税を打ち出す政治。
アメリカいいなり、大企業中心という自民党政治の基本的立場が、21世紀の世界の流れや国民の暮らしの実態といよいよ矛盾するようになってきたのだと思います。
ならば、批判されるべきは、首相の個人的資質だけでなく、自民党政治の基本的立場そのものでなければならない。変革されるべきは、首相の顔ではなく、政治の中身でなければならない。
あらためてそう確信した4時間でした。(写真は議員会館からみた夕日)