昨日、集中豪雨による鉄砲水で4人が犠牲になった神戸市灘区の都賀川(とががわ)の現地調査。
朝、神戸市灘消防署を訪ね、青木啓司副所長に救助活動に対する感謝を述べた後、経過説明を聴取。灘区選出の西下勝・神戸市議団長、味口としゆき・衆院兵庫1区候補、堀内照文・参院兵庫選挙区候補と。大雨の直前に火災が発生し、隊員がほとんど消火活動に出動中だったため、レインマップ(神戸市内の降雨状況の変化がわかる)にもとづく警戒態勢を十分とることができなかったことが悔やまれます。
消防署の案内で都賀川の現地調査。河川内は、親水公園としてとてもよく整備されています。上流から河口まで洪水敷きはすべて遊歩道になっていました。水もとてもきれいで住み着いたカニも見つけました。「夏の暑い日でも川の水で涼しいのでたくさんの人が歩いています」「お母さんたちは子どもを安心して遊ばせることができる場所だと感じていると思います」とのことでした。
聞くと、30年以上前から、地域の「都賀川を守ろう会」の方たちが住民運動をされ、汚れた水をきれいにし、安心して遊べる川にしてきたのだそうです。魚のつかみ取りなどのイベントも盛んらしい。親水公園化された都賀川が、地域住民に憩いの場所として親しまれ利用されていることがよくわかりました。
しかし、安全対策は果たして十分だったのか。河川内の遊歩道に下りると、堤防はほぼ垂直な壁のよう。河川内から避難するための階段やスロープはおよそ50m間隔で設けられていますが、今回のような急な増水に遭遇したら、子どもたちが自力で避難することは難しいのではないか。下流の左岸には100m以上階段がない区間もありました。しかも、河道は一直線。六甲山から海まで、急勾配を一気に雨水が流れるように造られています。
私たちが河川内を歩いていると、警察のパトカーが巡回してきて、「大雨警報が出ました。川から出てください」とのコールが。警報が出たとは知りませんでした。「もし、きのうこんな巡回があったら、子どもたちが犠牲にならずに済んだかもしれませんね」と堀内さん。たしかにそうです。河川を管理する兵庫県と、警察、消防などとの連携が、安全対策のためには必要だと感じました。
次いで、兵庫県庁を訪ね、県土整備部土木局河川整備課の小林徹副課長らから説明を聴取。ねりき恵子、新町みちよの両県議、瀬戸恵子・衆院比例候補も合流して。説明では、マイナス33センチだった水位が、短時間で101センチまで急上昇、水防団待機水位を超えたので1号警報を発令、その後水位は105センチまで上がったが20分後には52センチまで下がったとのことでした。
「治水上の対応は適確だった。ただ、川の中で遊んでいた方が逃げ遅れた」との説明に、河川管理が、洪水対策(川から水が溢れないようにすること)だけになっていること、河川内に親水公園を造りながら、そこで遊ぶ人たちの安全は自己責任に任せていることをつよく感じました。
流域の小学校への出前講座や、「雨が降ったら川から出るように」とのパンフレットによる周知もどこまで徹底されていたのか疑問です。今回犠牲になった学童保育の子どもたちや指導員は出前講座の対象になっていませんでした。
そのまま上京し、議員会館に国土交通省河川局の担当者を呼んで、現地調査をふまえた感想と要望を伝えました。国のすすめる“環境配慮”“親水性”重視の河川整備により、住民、とりわけ子どもたちが河川内に入り、活動し遊ぶ機会が増えている、ならばそれにふさわしい万全の安全対策が採られなければならないが不十分だった、として、@全国の河川の一斉点検を行い、今回のような急な増水に対する安全対策を講じること、A国として親水公園化した河川の安全基準、指針などを作ること(基準がないことがわかりました)、を要望しました。こくた恵二秘書と。
二度と犠牲者を生まないために、今回の事態が「想定外」「自己責任」で済まされないよう、河川管理の問題点を追求したいと思います。
夜、ある文化団体の後援会で講演し、帰阪。