「よくそこまで読んでいただいて感謝します。北朝鮮が読んでいるか知りたいところです」――と、参院拉致問題等特別委員会で町村官房長官から感謝されてしまいました。
感謝されたのは、4月11日、対北朝鮮制裁継続にあたっての官房長官談話で、「現在、わが国が北朝鮮に対してとっている措置は、北朝鮮が拉致・核・ミサイルといった諸懸案の解決に向けた具体的な行動をとる場合には、いつでも諸般の情勢を総合的に勘案して、その一部、または全部を終了することができる」と言及した点に、私が注目したくだりです。
じつは、前回の制裁継続時の官房長官談話(昨年10月9日)には、この部分は見あたりませんでした。なぜ今回は言及したのか町村官房長官に質問しました。長官は冒頭紹介した言葉に続き、「より明確に私どもの意図をこの際言っておこうという思いがあったことは事実であり、北朝鮮が具体的行動をとること、それが重要だというメッセージを伝えたつもりだ」と答弁しました。
そこで、「“具体的な行動”とはどのようなことか。拉致・核・ミサイルのうち、たとえば核問題での一定の前進があれば、制裁の一部を終了することができる具体的行動と判断することもあり得るのか」と聞いてみました。町村官房長官は、「3つのテーマのうち、1つだけが大きく進んで1つが残った場合とか、あるいは3つが少しずつ進んだ場合とか、2つが進んで1つは、とか、いろんな組み合わせがあると思う」と答えました。
外交交渉上、ぎりぎりの答弁ですが、北朝鮮の核問題の進展によっては、対北朝鮮制裁の一部解除もあり得るとの認識を示したということだと思います。これは重要な新しい見解です。
外交問題での質疑は、お互いにどこまで言えるかという世界。間合いを計りながらの真剣勝負のような緊張感があります。そこで正確な間合いと太刀筋を決めることができるのは、わが日本共産党国会秘書団の地道で厳格な情報収集があるからです。感謝、感謝です。