大変なことが起こっています。生活保護を受けている人たちに支給されていた、病院に通院するさいの交通費(通院移送費)が4月1日から打ち切られています。厚生労働省が3月3日に突然、各自治体に「通知」を出したことがきっかけです。
きょう(21日)、「生活保護の通院移送費削減の撤回を求める院内集会」(生活保護問題対策会議など7団体主催)に参加。100人を超える参加者の皆さんから、生の声を聞かせていただきました。
車椅子の重複障害の青年は、「片道290円、月4回の通院が必要です。通院移送費2千数百円は僕の2、3日分の食費にあたります。食べるものを切り詰めて病院に通わなければならないのなら体調を悪化させるだけ。非常に困る。与野党問わずぜひ力を貸してほしい」。精神科の治療を受けているという青年は、「往復1640円、月4回の負担になります。いまの医者を信頼しているので遠くても通わないといけない」。
女性医師の参加もありました。「すでに生活保護の方で通院移送費が出ないと病院に来なくなったり頻度が下がったりした方があります。病状がよくなって来なくなるならいいことだが、お金の問題で本人の希望でなく来られなくさせられている」と訴えられました。小さい子どもを抱いたシングルマザーは、「母子の通院にありがたい、本当にありがたいと思った制度です。ぜひ残してほしい」と。
聞きながら怒りがこみ上げてきました。誰もが、病気になったときに安心して病院にかかれることは、よい社会の条件です。生活保護世帯というもっとも支援が必要な人々からその保障を打ち切るような社会でいいはずがありません。
厚生労働省の「通知」は、北海道滝川市で起きた元暴力団員らによる2億円の介護タクシー代金不正受給事件を受けてのもの。しかし、福祉事務所の集計によっても適正執行保護費は99.67%であり、「不正受給金額」は全体の0.33%にしか過ぎません。「ウソをついてもらっていた人と、そのことを許してきた人が悪いのに、なぜ、今まで出していたものを打ち切るのか!」との声が噴出すのは当然です。
集会には、自民党の衆参議員も参加し「これはおかしい。結果を出す」とあいさつしましたが、そこにもこの「通知」の理不尽さが示されています。緊急の課題です。撤回に向け、党派を超えた動き、党独自の動きを強めたいと思います。