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Nスペもサンプロもグー! 「医療を考える集い」に250人

2008年05月11日

 いい番組でした。きょう夜のNHKスペシャル「セーフティーネットクライシス」。バブル崩壊後の雇用の規制緩和、医療、介護、生活保護など社会保障の縮小が、この国に住む人々の社会への信頼を崩壊させつつあることを、数字だけでなく一人一人生身の人間と家族の実態から描き出しました。

 仕事を失い、国民健康保険料が払えず保険証をとりあげられ、ガン治療を受けられず50代前半でなくなった男性。40年働き余裕ある老後を楽しみにしていた矢先、脳梗塞で右半身麻痺となった一人暮らしの70代の女性は、介護保険制度の改悪で機能回復に必要な介護が受けられなくなり大粒の涙をこぼしました。生活保護の「適正化」「自立支援」の名のもとに、保護を打ち切り、高校に進学した子どもたちにアルバイトを強要する行政のあり方も…。

 こうした深刻な事実を前に、政府の社会保障国民会議座長も、経済界代表も、「このままではいけない」「医療や介護は最低限の保障が必要」「貧困の再生産は避けねばならない」とコメントせざるをえませんでした。すべての国民、とりわけ政治家、官僚、経済人に見てもらいたい、そして、私たちの社会が進むべき方向を真剣に議論したい、そう思える番組でした。番組制作者の力戦奮闘に政治の場でしっかり応えたいと思います。

 いい番組といえば、けさのサンデープロジェクトも見応えがありました。中曽根康弘元首相、土井たか子元衆院議長、不破哲三前日本共産党議長にたっぷり聞く企画。日本の戦争をどう見るかについての、4半世紀前の中曽根首相と不破委員長の国会論戦が、当事者間で語り合われたことはとても興味深く、「中国やアジアに対する戦争は侵略だった」と中曽根氏が言い切ったのには驚きました。

 不破さんの「マルクスの言ったことと正反対のことをやったソ連が崩壊して世界は元気になった」という発言、「ヨーロッパの資本主義は地球温暖化にどう対応するか、危機感を持ち、真剣に社会を変革しようとしている。日本の資本主義にはそれがない」という発言も、不破さんらしい大局観ある骨太の意見だと感心しました。

 不破さんの発言に大きなヒントを得ました。日本の資本主義が「危機感を持ち、真剣に社会を変革」しなければならないテーマは地球温暖化だけではありません。まさに、NHKスペシャルがとりあげたセーフティネットクライシスともいうべき社会保障制度のほころびも大テーマです。このテーマを突き詰めていけば、否応なしに「社会の変革」にたどり着かざるを得ません。そして、医療の分野でも、他の社会保障の分野でも、すでに国民的議論は起こりはじめていると感じます。

 きょう午後、日本共産党の兵庫・長田・北地区委員会が主催した「日本の医療を考える集い」に、立ち見も出る250人もの参加者があり、活発な討論が交わされたことにもそれは示されています。とても面白い情勢。大局観を持って、国会と国民の中で骨太の議論を展開したいと思います。

 「日本の医療を考える集い」での40分の講演レジュメを以下に紹介します。

              ※     ※     ※

もう限界! 医療崩壊の根源・医療費抑制路線の転換を
             2008・5・11 日本共産党・参議院議員 山下よしき

1.「医療崩壊」にかつてなくひろがる危機打開の声と運動
  産科空白地域の拡大、救急搬送受け入れ困難など
  第一線の医師・医療関係者から現状告発と危機打開の訴え

2.いっそう本格化する自民・公明政権の医療改悪
  「後期高齢者医療制度」
  療養病床38万床→15万床への削減
  「公立病院改革ガイドラン」
  社会保険病院・厚生年金病院の統廃合

3.医療費抑制路線はなぜうまれたか
  憲法25条、国民皆保険制度(1961年)、老人医療費無料化拡大(60〜70年代)
  臨調「行革」路線(80年代)から医療費抑制政策に転換(「医療費亡国論」など)
  その結果、
   日本の医療費はGDP比8.0%、サミット参加7カ国で最低に
   一方、総医療費に占める窓口負担は、日本16%、英2%、独6%、仏11%
   医師数も抑制され、OECD30カ国中27位、OECD平均から14万人も不足
  いまや「医療費抑制亡国論」を唱えるべき事態

4.背景に財界とアメリカの要求
  経団連――保険料など企業負担の軽減、医療をもうけの場に開放せよと要求
  →小渕内閣「競争原理の導入を通じて医療コストの抑制を実現する」
   小泉内閣「医療費を経済の成長よりもおさえる」、「公的医療保険の守備範囲の      
   見直し」、2002年度から毎年、社会保障費の自然増を2200億円抑制
  アメリカ――日本の医療の市場開放を一貫して要求。混合診療の解禁など
     
5.流れを切り替えよう――税金の使い方、集め方を変えれば、日本の医療は再建できる
  日本の医療給付費(患者負担を除いた公的給付分)はGDP比6.2%
  仏7.6%、独8%の水準まで引き上げれば医療給付を9兆円増やすことができる
  患者負担ゼロ(5兆円)、診療報酬10%アップ(3兆円)、医師養成(1兆円)が可能
  そのために、
@ 大企業・大資産家に応分の負担を求める――消費税増税には要注意
A 税金の無駄遣いをなくす――道路や軍事費にメスを入れ社会保障に
    

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