充実した日程でした。14、15日と京都で参院総務委員会の視察と地方公聴会を行いました。初日の14日は、麻生純副知事はじめ京都府幹部より財政状況などの聴取。「(国の)交付税削減が(府の)財政逼迫の大きな要因」との言明がありました。
次いで綾部市へ。昨年「水源の里」条例を制定し、いわゆる「限界集落」(過疎化が著しく進み、地域共同体として存続することが困難な集落。住民の半数以上が65歳以上の高齢者)の支援を全国に先駆けてはじめた綾部市。大型バスを途中でマイクロバス2台に乗り換え、山あいの細い道路を登ると、指定された5つの「水源の里」のひとつ市志(いちし)集落に着きました。10数世帯約20人が住むこの集落は全員が65歳以上で高齢化率100%。畑でフキや山椒を共同で栽培しています。
フキ畑の横で5つの集落の自治会長さんたちにお話をうかがいました。皆さんとてもいいお顔をしています。背筋もシャンとしているし…。「こんなにたくさん偉い先生たちが来てくれて開びゃく以来の大事件」「針で突いたようなところだけど光を当ててほしい」「携帯が通じるようにしてもらいたいのと鳥獣被害対策をしてほしい。フキと山椒を植えているのはサルが食べないから」などの要望をいただきました。
四方八洲男・綾部市長との懇談は大変刺激的でした。市長選挙中に訪ねた市志集落の座談会で、@おばあちゃんたちが月1回必ず集会所で茶飲み話をしている、A山ブキの生産を数軒の家が共同作業で行い出荷額も数百万円になっている、Bお盆には集落出身者が都会から家族・友人を連れて帰り焼肉パーティーをするなど都市との交流が自然にできている、C自治会長など優れたリーダーがいるという4要素を見出し、ここに地域再生の可能性があるのではないかと感じたそうです。
住民と話し合い、環境、水源重視という時代の流れもつかんで、「上流は下流を思い、下流は上流に感謝する」という「水源の里」からのメッセージを全国に発信する四方市長。その発想と行動は、「限界集落」対策にとどまらない、日本人の“こころのふるさと”再生への挑戦だと感じました。Iターンで定住する若者も生まれているとのことで、ひきつづき注目し応援したいと思います。(写真は特産のトチ餅。やわらかくて自然の甘味がなんともいえませんでした)
2日目の15日は、審議中の地方税3法案に関する地方公聴会。奈良女子大学名誉教授の澤井勝氏、関西学院大学大学院経済学研究科・人間福祉学部教授の小西砂千夫氏、日本労働組合総連合会京都府連合会会長の木村幹雄氏、京都府町村会長・井出町長の汐見明男氏から意見聴取した後、質疑を行いました。道路特定財源と暫定税率をめぐり与野党それぞれが推薦した公述人の意見表明と質疑は大変緊張感のあるものとなりました。
私からは、
@ 道路特定財源の一般財源化について地方はどう考えたらよいか。税金の使い方の自由度が拡大されることとなり歓迎すべきではないか。
A 地方の道路関係費の中で公債(借金)返還費の占める割合が高まっている(京都府も1997年14.7%→2006年41.6%に激増)。背景に90年代の国の景気対策・公共事業の押し付けがあり、道路特定財源と暫定税率が失効したもとで、地方の道路事業の見直しとともに、国が交付税などで財源を補填する必要があるのではないか。(以上、澤井、小西両公述人に)
B 「必要でない道路があるなら棚あげして必要な道路からすすめればよい」(汐見公述人)とは見識ある意見だが、加えて医療・教育など道路以外の切実な課題も含めて歳出の優先度を住民的に議論する必要があるのではないか。
C 建設業の下請け単価が低落しているのではないか、生活道路の維持補修、学校の改修・耐震化など地元建設業者の得意分野である身近な公共事業への転換が求められているのではないか。(以上、汐見公述人に)
を質問。大変貴重なご回答をいただきました。詳しくは参院HPでご覧ください。