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秋田で地方バス路線の調査をしてきました

2008年03月23日

photo 21、22日と「地方バス路線存続」の問題で秋田県に調査に行ってきました。先日、NHKニュースで同県仙北(せんぼく)市を走る民間路線バスが存続できなくなりそうだと知ったからです。地方に住んでいる車を運転できない高齢者にとって、路線バスの廃止はふるさとで生きていけなくなることを意味します。(写真は仙北市にある田沢湖にて)

photo 21日、東京から秋田新幹線「こまち」に乗り4時間かけてまずは秋田市へ。秋田県庁でバス路線の現状と県の支援制度、財政状況について説明を受けました。担当課長のお話によると、県内のバス路線の8割は赤字。県の補助制度はあるものの、赤字の4分の1をバス会社が負担しなければならず経営はかなり厳しい。高齢化にともない、車を持たない、車に乗れない人の増加が見込まれるもとで、ただ「不採算路線だから撤退」ではなく、県としてどうしたら弱者を救済できるか検討しているとのことでした。

 「どうしても過疎地への支援が必要です。ふるさとを捨てる人はいない。小回りのきく、
目配りある、やさしい運行にしたいので、ぜひ国の補助を付けてほしい」との要望をいただきました。しっかり受け止めたいと思います。山内梅良県議と。

 続いて仙北市へ。仙北市は、日本一深い湖・田沢湖や桜と武家屋敷で有名な角館(かくのだて)のあるまち。昨年旧3町が合併し人口3万人6千人の市になりました。東海林文和副市長が対応してくれました。

photo 驚いたことに、仙北市域内を走る10のバス路線は、すべて国の補助対象からはずれていました。国の「地方バス路線維持費補助制度」の対象が、「複数の市町村にまたがり、10キロ以上、1日の輸送量が15人〜150人」など「広域的・幹線的」な路線に限られているからです。現在、秋田県単独の補助を受けていますが、その補助要件が厳しくなる予定で、いよいよ仙北市域内のバス路線の存続は危機に直面することになります。県への「配慮」要請とともに、国も「広域」「乗車密度」のみでなく違った補助制度をつくってほしいとの要望を受けました。

 仙北市の取り組みで注目したのは、昨年民間バス路線が廃止された地域で、市が住民と話し合って試行運転している「デマンド型乗り合いタクシー」。あらかじめ登録した利用者が予約制で停留所から乗るタクシー(ワゴン車)で、市が地域のタクシー会社と協定を結んで運行しています。大型バスを購入するより経費はうんと少なくて済み、予約方法がわかれば利用しやすく住民にも好評とのことでした。画一的なやり方でなく、地域の実情にあった「移動の足の確保」を、行政と住民が一緒に知恵を出して考えることの大切さを学びました。国はこうした取り組みをしっかり応援すべきです。

photo 21日は田沢湖畔で宿泊。22日朝、湖畔を散歩すると、鏡のように風景を写し込む湖面…

photo そして、白銀に輝く駒ヶ岳がとても美しかった。

photo フキノトウも顔を出していました。
 

photo 午前、浅利則夫・党仙北市議団長の住む地域の皆さんに集まっていただきました。前日に「全国放送された羽後交通路線バスの廃止問題――なくなっては大変です。ぜひ生の声をお聞かせください」と書いたビラを新聞折り込みしただけで「何人来てくれるかなあ」と浅利さんも心配顔でしたが、なんと14、5人もの方が会場の桧木内(ひのきない)公民館に集まってくれました。

 地域には500世帯が住んでいて小・中学校があり、高齢者のみの世帯も多いそうです。この地域にとっての路線バスの役割について聞かせてもらいました。「買い物や病院通いはバスを利用している」「孫もバスがなくなれば角館や大曲の高校まで通えない。下宿しなくてはいけなくなる」「桧木内にあったスーパーが去年なくなった。食料品や日用品は角館まで行かないと買えない」「買い物は週2回は必要」「病院には週1回リハビリに行く」「薬をもらいに行くのに、いまは車があるからいいが、乗れなくなったら死ななきゃならない。雪の日に運転するのはほんとに嫌だ」「74歳になって運転するのが嫌になってきた。角館まで片道30分かかり疲れる」とまあ出るわ出るわ…

 この地域の皆さんにとってバス路線はまさにライフライン、生命線です。これは“儲かるから走る、儲からないから撤退する”などと市場原理にまかせるわけにはいかない領域です。バス存続の願いが出し合われるなか、突然、年配の男性が「このあいだテレビを見ていたら“誠橋(まことばし)”に200億円も使ったと出ていた。税金の使い方がまちがっとる」と怒り出しました。私もその番組は見ました。自民党の「大物代議士」・古賀誠衆院議員の地元にかかる超豪華な橋のことですがほとんど使われていません。

photo じつは、国の地方バス関係予算は1998年の98億円から2007年の71億円に減少しています。全国の地方のバスを維持するための予算が、あまり使われない橋1本分のわずか3分の1しかないのです。これはどう考えても「税金の使い方がまちがっとる」といわねばなりません。若者が働く場所の確保、林業の活性化などなど政治談義で大盛り上がりとなりましたが、まずは目の前の身近なバス路線を守るために地域で声を上げ知恵を出しあっていこうという結論になりました。がんばりましょう!

photo バス路線の存続とともに、県でも市でも地域でも「どうぞよろしくお願いします」と要請されたのが「秋田内陸縦貫鉄道」の存続。秋田県南部の角館から北部の鷹ノ巣(たかのす)までを結ぶ全長約100キロの第3セクター方式による鉄道ですが、乗客数の減少などにより廃線の危機にさらされているとのことでした。通勤・通学、そして観光のためにも残したいというのが地域の皆さんの総意です。

photo なにはともあれ「秋田内陸線」に乗ってみることに。浅利さんの住む「松葉」駅から北上し途中「阿仁マタギ」駅で折り返して「角館」駅まで、なんとも懐かしい感じのする1両編成の列車に揺られました。


photo 窓が大きく車内はとても明るい。

photo 車窓にひろがる雪原。のんびりした気分になれることまちがいなし。

photo 急行(といってもやっぱり1両編成)には秋田美人の車掌さんが。浅井さんのご近所のお嬢さんだそうで、ローカル線ならではの親近感を覚えました。

photo 車内で買った切符は昔ながらの穴明けパンチ式でした。



 日本の原風景に出会える「秋田内陸線」。なんとしても残したい鉄道です。

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