2007年12月24日
びっくりしました。国の史跡に指定されようとしている場所が、不動産業者の事情で壊されかけています。現場に急行してあまりの変わりように胸を痛めました。こんもりとした森だった敷地内の木が、あちこち切り倒され、寒々とした空き地になっているのです。 場所は私の住む大東市にある「平野屋新田会所(ひらのやしんでんかいしょ)」。300年前の大和川の付け替え工事のあと、深野池、新開池が新田として開発されたのにともない、新田管理のために建てられました。立派な表長屋門から敷地内に入ると、いまも主屋や蔵、船着場など往時をしのばせる貴重な建築物が残り、あたかも新田開発の時代にタイムスリップしたかのような感覚になります。日本の歴史を知るうえでかけがえのない遺跡としてぜひとも後世に伝えたい史跡です。 じつは「平野屋新田会所」は、裁判所の競売にかけられ一時存続が危ぶまれていました。しかし、党派を超えた保存運動が広がるなか、大東市が会所を買い取って公有化することになり、国の史跡に指定される目前まで来ていたのです。ところが、落札業者と市との交渉がうまくすすまず、今回の業者による伐採強行となりました。年明けには建物の解体まで可能な届出もされているようです。 まずいです。貴重な史跡が、目先の経済的な理由で失われるようなことはなんとしても避けなければなりません。私も保存のためにあらゆる可能性をたぐりたいと思います。現地調査には、大東市のこざき勉、とよあし勝子両市議、地元自治会の皆さんが同行してくれました。
表長屋門。堂々たる門です。
主屋の前の森が消えた!
敷地内にはユンボが置いてありました。