2007年12月11日
ふーっ。外交防衛委員会での「新テロ特措法案」の質問が終わりました。先週金曜日に突然出番が決まり、実質3日間で準備せざるを得ませんでしたが、たくさんの人の力を借りて、最新の到達で臨むことができました。感謝です。
アフガニスタンの現状をしっかり見て、世界と日本のかかわり方を見直すべきだ――これが、きょうの質問のコンセプトでした。いまアフガン情勢で重要なことは、暴力の応酬の激化にもかかわらず、武装勢力とアフガン政府の双方から、話し合いによる和平を求める動きが活発になっていることです。 なぜ、カルザイ政権は和解プロセスに力を入れるのか? ひとつは、深刻なアフガニスタンの現状です。ロンドンに本部を置く国際政策のシンクタンク(SENLIS評議会)は、「失業と貧困のほかに人々がタリバンに加わる多くの理由がある」として、「戦闘の拡大と地方への爆撃によって引き起こされたきわめて多数に上る民間人の殺傷および強制退去」「カルザイ政権は、アフガニスタンの政府監督と決定において外国諸国にコントロールされている傀儡政権だとの認識」などを列挙しています。 もうひとつは、アフガニスタンの歴史です。アフガンの歴史を学ぶと、カブールに基礎を置き、アフガニスタンの全域を効果的に統治する強力な安定した政権の確立は、これまでほとんどなかったことがわかります。国連安保理でカタール大使は、「アフガニスタンの政治展望は、同国の政治集団すべてをまとめた相互依存のネットワークで構成される。それゆえ、民主主義をその中核とした政治プロセスを確立するためには、すべての関係者の積極的参加を焦点にしなければならない。アフガニスタンは真の国内的団結を必要としている」と陳述しています。 こうしたことが、カルザイ政が「アルカイダの一部でないタリバンと交渉することを望んでいる」と和解プロセスをすすめる背景にあるのだと思います。高村外務大臣も、「軍事力だけで完全に解決するのは難しいとの認識にもとづいている」と認めざるをえませんでした。 だったら、和解プロセスの障害となる米軍などによる空爆はやめるべきです。アフガニスタン上院は、「タリバンおよびその他反対勢力の要求を見出す努力が行われるべきこと、その間はそれらの者に対する軍事作戦を中止すべきこと」を表明しました。カタール大使も「軍事戦略は国民和解の計画と整合したものでなければならない」と述べています。 当然です。話し合いをしながらぶん殴るなんて両立しようはずがありません。ところが、高村外相は「軍事的掃討作戦を展開するなかで和平を達成する」とあくまで軍事攻撃にしがみつく答弁でした。アフガニスタンの現実を見ないで、米軍の空爆や掃討作戦を支援することになるインド洋での給油活動を再開すれば、和解の努力に逆行することになります。「新テロ特措法案」は廃案しかありません。 明日は、「放送法改正案」の質問です。連チャンはきついです。