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派遣の集合場所で若者たちの声を聞きました

2007年11月04日

 先週の水曜日(31日)、朝6時に宿舎を出て電車を乗り継ぎ、7時、千葉県のJR二俣新町駅に降り立ちました。登録型派遣で働く若者たちが集合する場所です。駅前の小さな広場には、軽作業ができるスタイルの若者たちが次々と集まってきます。ここから臨海部の倉庫群に向かうようです。

photo 自販機で買った缶コーヒーをすすりながら彼らに声をかけてみました。38歳の男性は登録型派遣で働きはじめて3年。登録型にも、「定番」と呼ばれるひとつの企業に1年とか派遣される働き方と、「スポット」と呼ばれるいわゆる日雇い派遣とがあることを教えてくれました。登録型派遣をやめられないのは「日払いだから」。彼らはほんとうにお金がない。月末払いではその間食べることができないのです。

 20代の男性は「テント建ての作業に行く」といいます。7時30分、自販機の前でリーダーと思われる1人の若者が人数を数え始めると、そちらに移動していきました。10数人のグループができましたが、顔見知り同士は2、3人ほどしかいない様子。みんな寡黙です。なかには40代、50代の男性の姿も。点呼が終わると固まって歩いて作業現場に向かっていきました。

 別の20代、30代の5人のグループ。やっぱりテント建ての作業だといいます。「みんな同じところに行くんじゃないか」。ひとつの作業現場に複数の派遣会社から若者が送り込まれるようです。7時40分、地べたにしゃがんでいた彼らも立ち上がって去っていきました。

 8時、広場のベンチに腰掛けて談笑している20代の3人組に声をかけてみました。お互い顔見知りのよう。「派遣の働き方、どう?」と水を向けると、ぽつりぽつり不満を語ってくれました。「年金とかちゃんとしてほしい」「交通費が出ない」「マンガ喫茶やインターネットカフェで寝泊りする人もいる」「ケータイ代が高い。仕事のことなのにこちらからかける。毎日8分ぐらいしゃべられる」。私が国会議員と知って「よろしくお願いします」。

 8時半、駅前のコンビ二前で立ったままタバコを吸う3人組。名刺を渡して「声を聞かせてほしい」と切り出すと対話が弾みました。定番とスポットの関係は?「時給は安いけど楽なのが定番。高い時給がほしい人はきつい仕事でもスポットでそういうところへ行く」。交通費は?「出ない」「700円以上は出るところもある」。「事前面接」を受けさせられ、それで断られても交通費も給料も出ないことはある?「ある」「あった」。国民年金の保険料は?「月14100円。払えるはずない」。

 派遣でいちばんつらいことは?「人と思われないところ」「モノ扱いですね。いいところもあるけど」。そう語る彼らの目は寂しそう。私が、戦後長いあいだ派遣労働は禁止されていたこと、85年解禁されたときも専門性を持つ13業務に限定されていたこと、いまでも労働者派遣法では派遣労働は「臨時的、一時的」な雇用であることが前提となっていることを紹介すると、3人とも目を丸くして「へーっ」。

 私は、派遣労働、とりわけ人間をモノ扱いする登録型派遣という働き方はなくすべきだと思います。若者の自立した生活を不可能にし、非婚化、少子化を加速し、将来の大量の無年金者を準備するこの雇用形態を続けるのは、企業の目先の利益に資するだけで、あまりにも社会的マイナスが大きすぎると考えるからです。そういうと彼らは全員ウンウンとうなずいてくれました。

 「ほんとうに変えられるんですか?」。変えられます。日本共産党の志位委員長が国会で「日雇い派遣をなくし安定した仕事を保障するべき」とただすと、福田首相も「日雇い派遣には様々な問題が指摘されている」と答えました。厚生労働省も9月から労働者派遣制度見直しの検討を始め、そのなかで登録型派遣、日雇い派遣の問題点を列挙しています。いまがチャンスなのです。彼らは「ほーっ」。

 でも派遣がなくなったら困る?に、「その日の収入がなくなるのは困る。でも、仕事を見つけるまで生活費を保証してくれたらみんな派遣以外の仕事を探すと思う」と提案してくれました。いい提案です。

 ところで3人はトモダチ?ときくと、「同じ派遣会社に登録している。毎朝、ここで集まるから、こうしてこの時間だけ集まって仲良くだべってる」と人懐こい笑顔に。ふーん、じゃ派遣先は別々?「そうそう」。「でも、多いときはこの駅前に100人以上集まるから、自分のグループ探すのが大変。たまにまちがって別のグループについていくこともある」と笑います。

 しゃべるとみんなとてもいい子たちです。こんないい若者たちをヘーキで使い捨てにする社会に未来はありません。そう思い、別れ際、「よし、がんばろう!」。彼らも親指を立ててこたえてくれました。彼らの思いを国会でしっかり代弁したいと思います。いきなりの声かけだったのにいろいろ教えてくれてありがとうね!

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