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欧州評議会議員会議でスピーチ

2007年10月02日

photo 朝8時半から10時まで、欧州評議会議員会議・第16回OECD活動拡大討議に参加しました。欧州評議会本部の建物の中にある大学の講義室のような部屋に、加盟国、オブザーバー国の代表があつまり、あらかじめ届いた決議案と修正案の討議がおこなわれました。

 はじめに、決議案起草者であるキプロスの女性国会議員、パパドプーロスさんから決議案の趣旨説明。続いて、移民委員会、文化委員会、環境委員会の委員長から意見表明。そして、決議案のパラグラフごとに、修正案の提案者が提案理由を説明し討論、採決するという流れ。非常にテキパキと議事が進行すること、女性議員の発言がとても多いことが印象的でした。

photo 私は、第4パラグラフ(経済の持続的成長)に、以下の文章を追加するようあらかじめ文書で提案していました。議場で配布されたペーパーには、日本の山下氏からの修正提案として英文で記述されています。

 「また、成長及び繁栄を促進するためには、中小企業が経済成長、雇用創出、地方の発展、社会的結束を図る鍵を握ることから、OECDのボローニャ中小企業憲章等の趣旨を踏まえた支援策を行うとともに、企業が労働者の人権を尊重した措置に取り組むことも必要である」

 提案理由のスピーチは日本語で行い、同時通訳で7カ国語に訳されます。通訳者にもはっきりわかるようにゆっくり話しました。

 「委員長ありがとうございます。日本国会参議院を代表し、修正案提出の理由をご説明させていただきます。
 第4項目では、OECD諸国の経済が、雇用創出と失業率低下によって下支えされ、今年と同程度の経済成長を維持する見通しが述べられています。
 私たちも、各国の経済成長を期待するものであります。

 同時に、近年の急速なグローバリゼーションによって、OECD諸国において、賃金や労働条件について妥協を強いられる労働者が増加し、労働者間の所得格差が拡大していること、日本では労働法制の規制緩和によって増加している非正規雇用労働者の貧困化が進行していることを懸念しています。

photo OECD諸国における経済成長は、少数の大企業や資産家だけでなく、社会のすべての構成員に公平な機会と恩恵をもたらすものであらねばなりません。
 その点で、中小企業が、経済成長、雇用創出、地方の発展、社会的結束の強化において重要な役割を果たす存在であると提起したOECDボローニャ中小企業憲章の趣旨を踏まえた支援策、並びに、企業がその活動に影響を受ける人々の人権を尊重し、持続可能な開発への貢献を強化するよう求めたOECD多国籍企業行動指針を踏まえた措置にとりくむことは、大きな成果をもたらすものと考えます。

 これらは、OECD諸国経済の持続的成長にとって重要な要素となるでしょう。よって、その旨を追加すべきであります。
 以上が提案理由です。皆様のご賛同をよろしくお願いいたします」

photo パパドプーロスさんからは、「山下さんありがとうございます。提案はラジカルな内容です。したがって、『また』を削除して、ひとつ別の新しいパラグラフにしたほうがいいのではないかと思います」との表明があり、3人の議員から英語の表現や、「企業が人権を守るのは当たり前なので『守らなければならない』としたほうがよいのではないか」「労働者の人権を守らないのは製造業なので企業一般にしないほうがよいのではないか」との意見がありました。(写真:左の女性が決議案提案者のパパドプーロフさん。1人置いてブレトス経済開発委員長)

 予期せぬ質問にちょっとびっくりしましたが、英語の堪能な村田団長とも相談したうえで、同意できる意見には同意し、「人権を守らない企業は製造業に限られているわけではないので企業(companies)の表現はそのままにしてもらいたいと思います」と回答。賛同を得ることができました。よかった〜。国際政治の舞台で自分の考えを述べ、やり取りし、合意を得られたことは、大変いい経験でした。小沢衆院議員、大江、水落両参院議員の修正案も採択されました。

 会議終了後、ロシア連邦議会のスタッフの方が近づいてきて、「すばらしい提案でした。とても大事なことです。あのような発言をしてくれる方があることがとてもうれしいです」と声をかけてくれました。メキシコ上院外交委員会・アジア太平洋小委員会議長のカルロスさんも、「とってもよい発言でした。昨年日本を訪問しました。ぜひメキシコに来てください」と握手を求めてきました。私は、「太平洋を挟んで認識が共有できたことをうれしく思います」と返礼。国際会議での発言の持つ影響の大きさを実感しました。

photo 写真は、いい仕事ができて満足顔の日本国会代表団。左から3番目が村田団長、左端が川田司駐ストラスブール総領事。

photo 午後、リンデン欧州評議会議員会議議長を表敬訪問。「ベトナム、イラクと、ハードパワーすなわち軍事力では問題の解決にはならないと思っています」と議長。死刑問題についても意見交換。

photo 夜は、ブレトス経済開発委員長主催の夕食会。パパドプーロスさんは、「日本の代表のみなさんはとてもよく準備した修正案を提案してくれました。感謝します」と満面の笑顔。打ち解けた雰囲気のたのしい夕食会となりました。
 

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