神戸で大演説会。メイン弁士の予定だった市田忠義書記局長が、参院本会議が長引いたために来ることができなくなり、急きょこくた恵二国対委員長・衆院議員が駆けつけてくれました。
こくたさんのお話で考えさせられたのは、「靖国派」が子どもの心の中まで支配しようと動きを強めていること。「靖国DVD」(特攻隊員だった青年が現代によみがえり、女子中学生に日本の近現代史を語りかけるというストーリーの30分アニメ。日本の起こした戦争を、アジア解放のための戦争、自衛のための戦争だったと描いています。2006年日本青年会議所作成)を使った「教育」プログラムを受けた中学生たちが、「特攻隊の人たちが命をかけて守ってくれたから、いまの日本があるんだとわかりました」「日本のおかげで植民地から抜け出せた国がたくさんあることに誇りを感じました」などと感想を書いているというのです。
この間の演説会で紹介している、但馬の小学生Aくんからの手紙とはまったく対照的な感想です。たまたまきょう手に入った「靖国DVD」をさっそく自宅で見てみると…
なんじゃこれは!?冒頭から違和感を覚えました。主人公の女子中学生の家庭の朝の様子からアニメははじまるのですが、お父さんが新聞を広げて読むかたわらで、お母さんが朝食を準備しているという設定なのです。わが家ではありえない設定です。「靖国派」は「男女平等」や「男女共学」までも否定していますが、その特異な思想が冒頭からつよくにじみ出ています。
そして、明治以降の日本の侵略と膨張政策を、徹頭徹尾、”欧米列強のアジア進出から同胞と日本を守るため”と描き、日本が朝鮮半島や台湾を植民地として支配する過程やそこで行ったこと、侵略したアジア各地で行った大量虐殺などの事実は一切でてきません。他国の資源と領土を奪うために戦争遂行を決めた当時の天皇制政府の決定もまったく欠落しています。そのうえで特攻隊の青年に「家族を守るためだった」と語らせる…。見事なまでの”歴史のつくりかえ”です。
侵略戦争の加害の事実を知らない中学生がこれを見たら、先のような感想が出るのもうなづけます。親として懸命に、他人の痛みがわかる子に、戦争はだめだとわかる子になってほしいと子育てしてきたのに、こんなものを勝手に見せられて、わが子を洗脳されたのではたまったものではありません!
各教育委員会に「靖国DVD」を教材として採用しないよう求める運動がとても大事です。