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安倍晋三氏の”危うさ”と”軽さ”の背景を考える

2006年09月12日

 この国の次の首相になる可能性が高いとされる安倍晋三官房長官の発言がどんどんエスカレートしています。「憲法を5年以内に変えたい」という発言に続き、「憲法の解釈を変えて集団的自衛権を行使できるようにすべきだ」との発言まで飛び出しました。調子に乗りすぎではないか、と感じるのは私だけでしょうか?

 だって”私が首相のうちに憲法を変えたい”なんて公言した首相候補はいまだかつていません。小泉首相ですら”私の内閣で変えるつもりはない”って言ってたんですから。非常に危ない。

 しかも、”5年も待てない”というのでしょうか。「集団的自衛権の行使」、すなわち、日本が武力攻撃を受けていないにもかかわらず、同盟国(具体的にはアメリカ)がどこかで戦争を始めたら、日本もいっしょにたたかう(武力行使する)ことを、憲法の解釈を変えてできるようにしてしまおうというのです。まさに”究極の解釈改憲”です。

 これまで政府は、自衛隊が、憲法の否定する「戦力」ではない、というゴマカシをするために、@武力行使するための海外派兵はできない、A集団的自衛権の行使はできない、B武力行使を目的とした国連軍には参加できない――の3点を挙げてきました。安倍氏の発言は、従来の政府の立場すら根底から覆すことになるものです。それをさらりと言ってのける安倍氏の”危うさ””軽さ”はいったいどこから来るのか?

 ひとつは、過去の戦争を”まちがいだった”と絶対に認めない歴史観、戦争観でしょう。安倍氏は、過去の日本の「侵略と植民地支配」に「おわびと反省」を明確にした1995年の「村山談話」を踏襲することについて、一貫して明言を避けています。しかし、侵略戦争への反省こそ、国連憲章と日本国憲法に刻まれた、戦後の世界と日本の出発点です。”過ちを認めないものは再び同じ過ちを繰り返す”といいますが、安倍氏の言動はまさにその道を行くものとなってはいないか!?

 もうひとつは、”これまでもこれからもアメリカが世界の中心なんだ”という世界観、だと思います。憲法改定も、集団的自衛権の行使も、いちばんの出所はアメリカです。しかし、”アメリカに追従さえしておけば安泰だ”なんていう世界ではもうなくなっています。9.11同時多発テロから5年。戦争ではテロはなくせないことが明らかとなりました。イラク戦争の”大義”も完全に崩壊しました。アジアでも、ラテン・アメリカでも、ヨーロッパでも、アメリカによる一国覇権主義に対抗する力がぐんぐん大きくなるなど、21世紀の世界は多極化し活性化しています。

 ”歴史の事実”と”世界の現実”を見ない視野の狭さから脱却しない限り、この国を正しく導くことはできないでしょう。安倍氏にそれを期待するのは無理だし、他の総裁候補もそろって「集団的自衛権の行使」を容認、検討してしまう自民党にも期待はできません。

 新しい政治をつくるのは私たち自身――そんな思いも込めて、夕刻、梅田ナビオ前でマイクを握りました。
 

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