2006年09月11日
井上ひさしさんの「子どもにつたえる日本国憲法」っていう本を読んでみました。先日参加した「9の日パレード」である方からいただいたものです。 シンプルな言葉で、憲法のめざす「国のかたち」と、強い決意(憲法と井上さんの)が伝わってきました。 私たちは代わりの人たちに 国を治めさせることにした その人たちに力があるのは 私たちが任せたからであり その人たちがつくりだした値打ちは 私たちのものである (絵本「憲法のこころ」より) そうなのです。人々から任せられ、人々に値打ちのあるものをつくりだしてこそ政治家なのです。いまの政治家ははたしてどれほどこの立場に立っているのか?場合によっては逆のはたらきをしていないか? どんな国も自分を守るために 軍隊を持つことができる けれども私たちは 人間としての勇気をふるいおこして この国がつづくかぎり その立場を捨てることにした どんなもめごとも 筋道をたどってよく考えて ことばの力をつくせば かならずしずまると信じるからである よく考えぬかれたことばこそ 私たちのほんとうの力なのだ (同上) 問題が起こっても、戦争をせず、 話し合いを重ねて解決していく。 その考え方が古くなったとは、 私にはけっして思えません。 むしろ、このやり方はこれからの人類にとっての課題ですから、 第九条は、新しいものだといっていい。 日本は正しいことを、ほかの国より先に行っているのです。 (お話「憲法って、つまりこういうこと」より) 「ことばの力」――これこそ人類が獲得した最高の能力かも知れません。その力を信じること。そして、他の力(暴力、武力、戦争)の恐ろしさを知ること。そのうえに日本国憲法第9条は成り立っているのだ思います。 「憲法のこころ」を深く理解し、自分のこころにとり入れるうえで、大きな力となる本です。
本の表紙。いわさきちひろさんの絵が「憲法のこころ」にぴったりくるから不思議です。