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神戸製鋼加古川製鉄所に調査に入りました

2006年08月28日

photo 吉井英勝衆院議員とともに、神戸製鋼加古川製鉄所に調査に入りました。大気汚染防止法の基準を上回る煤煙を出しながら、30年間もデータを改ざんしていた問題を調べるためです。先日、周辺住民の声を直接聞きましたが、きょうはいよいよ発生源に迫ります。神戸製鋼側も、東京本社から大西功一常務が説明に来るなど構えた対応でした。

 何はともあれ、まず製鉄所内を見せてもらうことに。私たちもヘルメットに防塵服をまとい、マイクロバスに乗って移動です。とにかく製鉄所の敷地は広い。南北3q、東西5qの広大な敷地に、原料ヤード、高炉、製鋼工場、圧延工場などが配置され、ベルトコンベアやパイプが何本も束になって空中を走っています。まさに巨大なプラント群。高炉の火を落とすと炉の中で鉄が固まってしまうので、製鉄所全体が24時間、365日連続操業です。正規労働者2000人、関連会社(下請け会社)の労働者2400人、保守なども含めれば最大時1万人がここで働いているといいます。

 空にむかって聳え立つ高炉を見ながらつくづく思いました。人類の英知、技術力、組織力は大したものだと。鉄鉱石と石炭を熱風で還元溶解して銑鉄をつくる。そのために、巨大なプラント群を何千人もの”鉄をつくる男たち”が24時間動かしている。誇りとともに緊張感がなければできない仕事だと思います。

 同時に、だからこそ、生産性の向上とともに、労働者の安全、周辺環境への配慮が、高い位置づけで追求されなければならないと感じました。こんなに巨大なプラントの操業を止めたり遅らせたりすることは、よほどの決断がなければできないはずです。今回データ改ざんの舞台となった発電用6号ボイラーの違法運転継続の背景にも、そうした事情があったと思われます。労働者や周辺住民の命と健康を脅かし、周辺と地球の環境を破壊してまで利益を追求することは、企業の社会的責任に反するという思想を、個々の労働者に任せるのではなく、経営のトップが身につけ実践しなければ教訓は生かされません。

 ポイントとなるいくつかの場所で説明を受けました。まずは、製鉄所の中と外の境界に25mの高さの防塵ネットを設置するという場所。空気の透過率が40%で、「粉塵が製鉄所外に飛ばないようにするため」との説明でしたが、広大な敷地で風に舞い上げられた粉塵が、25mの高さを超えることはないのか…? 

photo 石炭ヤード。40万tの貯蔵量で、1日1万t使うとのこと。石炭のヤマにむかって散水車が粉塵飛散防止剤(ヤマの表面を固めて粉が飛ばないようにする薬剤)をかけていました。触らせてもらうと確かに表面は固まっており、少々の風では飛ばない感じ。しかし、専用バースから荷揚げされ、石炭ヤードに積み上げられるまでの運搬中や、ヤマを切り出す際の粉塵対策は十分なのか?貯炭ヤードの周囲にも防塵ネットを設置するとのことですが、それで防ぎきれるのか?しっかり検証しなければなりません。

photo 大西常務は「これまで環境対策は1年2年遅れをとっていた。猛反省して最先端の対策を行いたい。もし今回の対策で十分でないと、周辺住民から声が出れば、さらなる対策を採る」と言明。これは重要な発言です。今回のデータ改ざんを機に、周辺住民から神鋼に対する強い不信と健康への不安が噴き出しています。一方的な対策で終わりではなく、住民に納得してもらえる対策をしなければ、地域のなかでの信頼回復はありえません。私がその点を指摘すると「おっしゃるとおり」との答えでした。周辺住民とともに、粉塵チェックなどの運動を強めることが必要です。

photo 鉄鉱石ヤード。石炭は真っ黒い粉塵ですが、鉄鉱石は赤い粉塵が発生します。鉄鉱石も何kmにも及ぶ距離をベルトコンベヤで運搬されます。ベルコンの周りには鉄鉱石がたくさんこぼれていました。

 6号ボイラ。90年稼動、99年から燃料に木屑などを入れ始めたところ、木屑がつまり、基準値を超える煤煙が発生したとのこと。そのときに記録紙の針を浮かしたり、別の数値を入力したりしていました。大企業の職場であまりに原始的な改ざんです。

 環境管理をするシステムセンター。ここのコンピューターのプログラムも、大気汚染防止法の基準を超える値が検出された場合、自動的に数値をカットして加古川市に報告するよう改変されていた。二重の改ざんということになり悪質です。

 調査を終え、吉井衆院議員は「地域住民や労働者の健康に関わる問題。生命、健康、安全、環境を守ることは企業の社会的責任であることを厳しく受け止めてもらいたい」と指摘、大西常務からは「神鋼が生まれ変わるようにしたい」との発言がありました。調査には、堀内照文参院兵庫選挙区予定候補、新町みちよ兵庫県議、山川博加古川市議、市田忠義参院議員の佐々木勝吉秘書も同行しました。

 住民調査、神鋼調査をふまえ、神鋼に対する運動をいっそう強めなければなりません。@住民への謝罪と説明については、住民から求められれば誠実に対応すること、A住民の健康診断については、一定の期間を設けて周知し、全住民が受けられるよう、行政や医療機関とも協力して行うこと。その費用は神鋼が持つこと、B環境対策については、早急に対策を講じるとともに、効果が十分でない場合は、住民の意見も聞きながら、住民の納得のいく対策をとること、C労働者の健康と安全にも十分配慮すること、などを柱に、神鋼に社会的責任を果たさせる大きな運動を展開したいと思います。

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