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61回目の終戦の日 甲子園球場前で、小泉首相の靖国参拝について訴える

2006年08月15日

photo きょうは61回目の終戦記念日。この夏一番の猛暑の中、甲子園球場前(西宮市)、神戸大丸前(神戸市中央区)、尼崎駅前の3カ所で街頭演説を行いました。

 甲子園球場前は、全国高校野球選手権大会の真っ最中とあってものすごい人出。一緒にマイクを握ったつづき研二兵庫県議(西宮市選出)は、戦争中、甲子園球場のグランドが芋畑にされ、鉄製の銀傘は取り外されて供出されたこと、ベーブルースをキリキリ舞いさせた巨人の沢村栄治投手(京都商出身)や阪神の景浦将選手(松山商出身)など多くの野球選手、甲子園球児が戦死したことを紹介。堀内照文参院兵庫選挙区予定候補も、甲子園で2回ノーヒットノーランを達成した旧制明石中学の楠本保投手、その一年後輩で中京商戦で25イニングを投げぬいた中田武雄投手がともに戦死したことを紹介。平和でなければ野球もできないことを訴えました。さすがです。高校野球の観戦に来ている若い女性や少年たちから「がんばってください」と手が振られました。

 こうした甲子園球児を含む310万人の日本人、2000万人のアジアの人々の命を奪ったのが日本の起こした侵略戦争でした。その犠牲者を追悼し、二度と再び悲惨な戦争を繰り返してはならないと誓い合うのが、きょうの日だと思います。ところが、今朝、小泉首相は靖国神社への参拝を強行しました。怒りを禁じえません。侵略戦争を反省し、二度と繰り返さない誓いを立てる場所として、靖国神社ほどふさわしくない場所はないと思うからです。

 靖国神社は、戦争で亡くなった人をただお祀りしているだけの生やさしい神社ではありません。私も今年の初め訪ねましたが、靖国神社には「遊就館」という軍事博物館があります。「ゼロ戦」や人間魚雷「回天」の実物が陳列され、明治以来、日本がたたかった戦争の歴史が展示されています。そこでは、日本がアジアに対して起こした戦争について、@「自存自衛」の戦争、A「アジア解放」の戦争、つまり「正しい戦争」だったと描いています。そして、そうした戦争観、歴史観を日本の国民に広げるために存在し活動すると、宮司自ら述べているのが靖国神社なのです。

photo しかし、靖国神社の言い分は、歴史の事実に照らすなら、とても通用するものではありません。私は、@日本がたたかった戦場はどこだったか?、A“日本のおかげで独立できた”と感謝したアジアの国がひとつでもあったか?の二点を街頭から訴えました。

 戦争の性格を考えるうえで、戦場がどこだったかは重要な要素となります。アジア太平洋戦争では、確かに、東京や大阪、西宮、神戸、尼崎など日本の主な都市が空襲を受けました。沖縄では地上戦が戦われ、広島、長崎には原子爆弾が投下されました。しかし、これらはすべて戦争の末期であって、そこに至るまでに日本軍が侵攻した地域は、中国、ビルマ、タイ、仏領インドシナ、マレー半島、シンガポール、スマトラ、ジャワ、フィリピン、レイテ島、英領ボルネオ、セレベス、ニューギニア、ソロモン諸島、ガダルカナル島など広範囲に及びます。日本からはるか何千キロも離れた地域、国々まで侵攻しておいて、「自存自衛」の戦争、日本を守るための戦争などとどうして言えるでしょうか。

 1951年のサンフランシスコ講和会議には、日本とたたかった相手国の多くが参加しました。「それらの国のなかで、“日本の戦争のおかげで独立できた”と日本に感謝の言葉を述べた国がひとつでもありましたか?」という質問を、私の先輩議員でもある日本共産党の吉岡吉典参議院議員(当時)が20年ほど前の国会で行いました。政府の答弁は「そのような国はなかったと承知しております」というものでした。これが歴史の事実です。サンフランシスコ講和会議の議事録にあるアジア各国の政府代表の発言は、すべて“私たちの国では日本軍によって何百万人殺されました”“まちや村がこんなに破壊されました”など、日本の侵略による被害を告発するものであって、“日本のおかげで独立できた”などという感謝の言葉は一切ありません。「アジア解放」のための戦争だったなどという言い分は、アジアの中では絶対に通用しないものなのです。

 日本がアジアに対して行った戦争は、それぞれの国の領土と資源を奪うための明白な侵略戦争でした。それを、「自存自衛」「アジア解放」のための「正しい」戦争だったと、180度ゆがめて描くのが靖国神社です。だからこそ、靖国神社は、あの戦争を企て遂行した東条英機らA級戦犯を、「昭和の殉難者」などとしてあえて合祀しているのです。このような場所が、侵略戦争を反省し、二度と繰り返さない誓いを立てる場所として、ふさわしくないことは、歴史の事実と、靖国神社の戦争観、歴史観を少しでも知るものなら、すぐにわかるはずです。にもかかわらず、退任直前の小泉首相が、靖国参拝を強行したことに、あまりの無責任さを感じます。そのことをほとんどのものがとがめず、賞賛さえする自民党という政党の、ふがいなさもまた糾弾されなければなりません。

 首相の靖国参拝が、中国、韓国などアジア各国から批判の対象とされているのは当然のことです。外交というのは、個人と個人の関係と似ていると思います。真の友人を得るために大切なことは、相手の立場に立って考えることです。外交のイロハのイもわきまえない小泉首相といまの自民党では、日本はアジアの中に真の友人を得ることはできないでしょう。ましてや、日本とドイツ、イタリアが起こした戦争を侵略戦争として否定することは、戦後の世界政治の出発点、原点です。それを覆すことは、アジアだけでなく、世界の中で日本が孤立する道です。現に、アメリカの議会からも、小泉首相の靖国参拝に対する強い非難が上がっています。

photo 私は、歴史をゆがめ、世界で友人を失う、日本外交のこの誤りをただすために、いまこそ国民の良識を結集しようと呼びかけ、とくに若い人たちに3つの提案――@歴史の事実、日本の起こした侵略戦争の事実を知ろう。それを加害と被害の両面から学ぼう、A世界の動きに関心をもとう。イラクやレバノンなど戦争は過去のことではないのだから、B世界の宝、日本国憲法9条を守り生かすために力を合わせよう――をさせていただきました。これは直接の戦争体験のない私自身への提起でもあります。夕刻の、尼崎駅前では、大勢の人が真剣に耳を傾けてくれました。とても心強く思いました。

 アジアへの侵略戦争に命がけで反対し、たたかいぬいた唯一の党、日本共産党の一員として、この問題を多くの人々と語り合い、歴史をゆがめ、歴史を逆戻りさせようとする企てを、国民の良識の力で阻止するため、ひきつづき奮闘したいと思います。

 甲子園球場前では、杉山たかのり西宮市議が、神戸大丸前では、味口としゆき衆院兵庫1区予定候補、わたなべ和代県議予定候補が、尼崎駅前では、庄本悦子衆院兵庫8区予定候補、広瀬さなえ尼崎市議が、一緒にマイクを握ってくれました。
 

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