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1泊2日の奈良・吉野の旅 新しい政治への胎動を感じました

2006年07月25日

photo 24、25日と奈良県吉野郡を駆け巡りました。都会にはない奥深い山々の緑、そこで暮らす人々との出会いなど、得るものの多い旅となりました。

photo 吉野林業の中心地、川上村。ここでは、川上村森林組合の南本泰男組合長らと懇談しました。500年の歴史を誇る吉野林業の特徴は「密植」とよばれる木の育て方にあるといいます。1haに1万本もの苗木を植えて(普通は3千本)、だんだん間引いていき、100年後に400本くらいの大径木が育つというもの。密植するのは、お互いにけん制させて、わざと成長を遅らせ、年輪のつんだ強くて美しい材木を作るためだそうです。この方法だと1cmに8年もの年輪ができ、酒樽や建築材に適した木が育つといいます。

 先人たちの知恵に感嘆しながらも、吉野林業の現状には胸が痛みました。1960年代以降、外材輸入の自由化によって、国産材の自給率は20%まで落ち込みました。住宅の建築様式やニーズの変化もあり、木材価格は低迷を続けています。吉野でも、コスト面から密植が維持できなくなったり、山林労働者の仕事が激減し、後継者が集まらなくなっているとのことでした。

 しかし、林業危機の深刻化は、林業関係者や山村の問題にとどまらず、森林の荒廃を招き、水源涵養や国土保全、地球温暖化防止機能を弱め、人類の生存をおびやかすことにもつながります。こうした多面的な視点から林業の活性化に本腰入れてとりくむことは、国政の重要な課題です。吉野でも、消費者と直接交流するなどの努力が始まっていますが、大いに注目したいと思います。

photo 下北山村では、上平一郎村長と懇談しました。いま、市町村合併の押しつけや地方財政削減などによって、”国による地方自治体と地域社会の破壊”が深刻な形ですすんでいます。そんななか、合併ではなく、自立の道を歩んでいる下北山村の努力やご苦労をお聴きしました。

 温厚なお人柄の村長は、人口1200人の村で、毎年赤ちゃんが10人生まれる目標を立ててほぼ達成していること、雇用の場作りの研究(「村営スポーツ公園」はパート・アルバイトも含め52人の雇用が生まれたとのこと)、村営住宅の建設(72戸は全世帯の一割強になる)、「やまびこ留学」(都会の小学生を1〜3年間、村の小学校に留学してもらう。そのための寮もある。子どもに合わせて村に移住する人もうまれている)など、下北山村で、住み、働き、教育を受けることができるよう、きめ細かな努力をしていることを丁寧に教えてくれました。

 「郵政民営化で、地域の郵便局の集配業務がなくなり、地元出身でない人が保険勧誘に来ても、村民は”知らん”となるだろう、そうしたら”効率が悪い”と、局そのものが廃止されることが一番心配」「南都銀行も、いま村の基金を預けているから支店があるが、市町村合併でそれがなくなったら残らないかもしれない」などのご意見も傾聴に値するものでした。

 お話をうかがって、地域単位で行政機構があることが、いかに人々の生活、雇用、教育を維持することに重要な役割を果たしているか、よくわかりました。もし下北山村から役場がなくなったら、こうした地域に密着した施策を誰が考え、誰が推進してくれるのか!?考えてだけでも恐ろしくなります。国の赤字と借金のツケを、市町村合併などで地方に押し付けては断じてなりません。それは地域社会の崩壊を招き、その後始末のために社会的コストも必要となるでしょう。国政を預かるものは、もっと地域に足を運び、地域の現状と努力から真摯に学ぶべきだと痛感しました。

photo ”日本一広い村”十津川村では、藤沢豊助役らにお話をうかがいました。ここも合併ではなく自立の道を歩んでいます。「いまでも役場に来るのは一日仕事。役場がなくなったら村民の声は届かなくなるでしょう」と助役。ここでも村営バスの運行や、温泉を生かした観光業の振興など、村民の生活を支える数々の取り組みがされていました。

 奥深い山あいの村で、営々と続けられてきた人々の暮らし。それを支えてきた地方自治体の役割。その努力を一切評価せず、ただ切り捨てるだけの政治は、必ず人々から見放されることでしょう。新しい政治への確かな胎動を感じる吉野の旅となりました。


photo では、吉野の旅の全容を写真でご報告します。

 川上村で街頭演説。中野あけみ参院奈良選挙区予定候補、塩谷章次・川上村議、薮坂真佐・吉野町議といっしょに。

photo 川上村にある大滝ダムを視察。3000億円以上かけて建設したものの、試験貯水の段階で上流に地すべりが発生し、現在対策工事中。無駄な大型開発の典型です。

photo 大滝ダム建設の影響で地すべりが起きた白屋地区。集落を全て移転するなど、地すべり対策だけで260億円かかるといいます。

photo 塩谷議員の住む井光(いかり)集落でのつどい。平日の昼だというのに30人もの方が集まってくれました。「みんなしょうちゃん(塩谷章次議員)のことを好いとる」とおばあちゃん。過疎の村に戻り、山林作業のかたわらアマゴの養殖を引き受けるなど、村の活性化のために奮闘する塩谷議員への信頼は抜群です。

photo 「年金は下がって、何でも上がるのが一番つらい」「このままでは姥捨て山になる」など、老後の暮らしを破壊する政治への不満は山村でも強い。井光(いかり)という地名の由来を聞くと、井戸の中から出てきた人が、神武天皇を橿原神宮まで道案内したとのことでした。

photo 北山川の清流。

photo 宿泊は、支持者のT先生のお宅で。手作りのお料理などあたたかいおもてなしに感激でした。お世話になりました。

photo 下北山村から十津川村へ向かう途中、渓流で休憩。空気は涼しく水はおいしい!

photo 渓流に咲く谷ウツギの花。

photo 杉林。果たしてここに人の手は入るのか…。

photo 山道をドライブ。2日間とも運転してくれたのは、薮坂明・党中南和地区副委員長。走行距離は250kmになりました。お疲れ様でした。

photo かなりの高度から山なみを遠望。こんな景色を眺めていると自然と心が落ち着きます。

photo 十津川村にかかる吊り橋。長さ200メートル以上、高さも50メートル以上あり下を見ると怖い。

photo 吊り橋の全景。昭和20年、村人たちが一戸20万円ずつ出し合って架けたとのこと。明治の洪水以来、水とのたたかいだったようです。

photo 五條市・旧西吉野村賀名生(あのう)の梅農家・久保さんのお宅を訪問。無添加・無農薬の梅干は最高にすっぱくておいしい。赤旗まつりにも出品してくれます。

 以上、1泊2日の奈良・吉野の旅でした。最後までおつきあいくださり、ありがとうございました。

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