午後、大阪社会保障推進協議会の総会に来賓として出席。民主的医療機関や団体、労働組合の代表100人が集まりました。私は、“格差”拡大のもとで大切だと思うこととして、�@困った人をほっとかない、あったかい人間の連帯、ネットワークの力を発揮すること、�Aこれ以上、命を削る悪政を許さず、一歩でも二歩でも制度を前進させること、の2点をお話しました。

　「命を削る悪政」という点で、今国会に提出されている医療改悪法案の中身は重大です。お年寄りをねらい撃ちにした負担増とともに、保険のきかない医療の拡大が含まれています。軽い風邪くらいなら自分で薬を買って治しなさい、がん治療などの高度な医療は保険で認めません、という方向です。これでは公的医療制度の解体に向かい、”所得の格差が命の格差“になってしまいます。

　いったい誰がこんなことを望んでいるのか？3日の参院決算委員会で日本共産党の小池晃政策委員長が指摘したように、「アリコ」など米国系の民間保険会社、それに内閣府の規制改革･民間開放推進会議議長を務めるオリックスの宮内義彦会長です。オリックスも傘下に保険会社を持っています。何のことはない、公的医療保険の適用範囲が狭まれば、その分民間保険会社の儲けるチャンスが広がるという狙いです。こんな哲学も何もない医療制度の改悪を許してはなりません。ここでも“社会的連帯による社会的反撃”が求められています。

　条件は大いにあります。2月、大阪府医師会は、「国民皆保険制度を守るため」をテーマに公開討論会を開催しました。そこで、難波俊司･大阪府医師会副会長は「いま、国が進めている医療制度改革は、国民皆保険制度の縮小へと動いています。たとえば、高齢者の医療費自己負担アップ、高額医療費の上限アップ、保険免責制、医療費の総額管理制導入など、患者負担増につながる思案が次々に出されています。これらに反対する署名活動を昨秋行ったところ、全国で1760万人余りの署名をいただき、衆参両院議長に提出しました。保険証一枚あれば、いつでも安心・安全な医療を受けることができる国民皆保険制度を守っていきましょう」と呼びかけました（「毎日」2月26日付）。

　また、25年間アメリカで医師生活を送ったという村田雄二･副会長は「アメリカの医療と日本の医療を、福祉という面から比べてみると、日本の医療は抜群に優れています。国内総生産に対しても、医療が効率よく成果を出しています。日本は世界一の長寿国であり、赤ちゃんの死亡率は世界最低レベルです。これは日本の国民皆保険制度があってこその結果だと思います」と述べたうえで、アメリカでの体験を次のように語っています。

　「アメリカは国民皆保険ではありません。日本でいうと、ちょうど自動車保険に近い形の民間の保険です。自動車保険では、交通違反を頻繁に起こしていると、掛け金が高くなります。アメリカの医療保険も同じように既往症、病歴があると掛け金が高い。あるいは遺伝子を調べて、がんの家系と分かると、がん保険に入れなかったりします。コマーシャルベースですから、リスクの高い人は入れないか、掛け金が非常に高くなるのは当然です。医療は決してコマーシャルベースでやってはいけない。医療は誰もが受けられないと、国民の健康的なパラメーター、たとえば平均寿命や乳幼児死亡率などは向上しません」（同前）

　政治的立場は異なる方々ですが、政府の医療制度「改革」によって、医療にまで“格差”が持ち込まれようとしていることへの危機意識は、私たちとまったく同じです。こうした方々とも共同して社会的反撃を、と訴えました。

　来賓としての出席でしたが、お願いして討論も聞かせていただきました。すでに、医師会との共同を開始している地域からの報告や、低所得者、年金生活者、障害者の運動など、大阪の運動の到達と教訓、課題がよくわかりました。今後の活動に生かしたいと思います。　

　午前中は、党大阪府委員会で月に一度の府委員会総会に出席。参院比例予定候補になってからは初めてなのでごあいさつと決意を表明。兵庫、滋賀、奈良、和歌山など大阪以外の方にも歓迎していただいていること、比例5議席を「絶対確保」するための“2つの挑戦”、前進できる可能性と条件をお話し、最後に「いま心境は荒川静香選手と同じです。自分の持っている最高の力を発揮できたといえるようにたたかいたい」と結びました。随所でかけ声や笑い、拍手をいただきました。私を政治家として育て、鍛えてくれた大阪の皆さんとともに、2007年、”最高のたたかい“をやりたいと思います。