悲しい知らせでした。画家の渡辺鶴子先生がお亡くなりになりました。91歳でした。
古い長屋の一画で、人々とともに暮らしながら絵を描き続けた渡辺先生。その画才と穏やかなお人柄からたくさんの方に慕われていました。地域の日本共産党支部の新年会も渡辺先生のご自宅で集まるのが恒例でした。持ち寄られた何種類もの手作りのお料理と大勢の仲間たちに囲まれた先生のにこやかなお顔がいまも目に浮かびます。
戦地に赴いた夫、幼子とともに残された若い先生…。その時は大変ご苦労されたそうです。「戦争だけはしてはいけません」とつぶやく先生の声は、けっして大きくはなかったけれど、とても重みがありました。
先生にいただいた日本画の鮎をとりだして、お世話になった日々を偲んでいます。渡辺鶴子先生、どうか安らかにお眠りください。そしてあの優しい眼で私たちをいつまでも見守ってください。